>> 14.オチとして最悪 「・・・というわけさ。」 俺は今に至るまでの説明を終え、ひかりを見る。 「というわけさ、じゃなくて!!!」 「・・・んだよ。」 「元凶はお前か!!」 「何もしてねえよ。」 「しらばっくれるんじゃありません!ネタはもう上がってんだよぉ!」 ひかりがバンバン俺の机を叩く。ちょ、それ俺の机なんだけど。ていうか何そのキャラ、デカ?デカなのか? 「なんで神田がアレンと喧嘩するかなあ」 野蛮人ですかあなたは。ひかりが野菜ジュースのストローをかじった。欲求不満なんか? 「俺はただモヤシにひかりに執拗に構うなと言っただけだ」 「うぇ?なんで」 「・・・・・別に」 「え、なんで?」 「・・・別に泣いてまでバイト続けなくていいだろ」 ユウがフイッと目を逸らした。泣いてるひかりを見て自分から出向いちゃったってところか。顔がほんのり赤い。前から思ってたんだけど、ユウってやっぱり・・・。 でもひかりを見れば、キョトンとしていて、出てきた言葉がコレだった。 「私いつ泣いたっけ?」 「あ?泣いてただろ、この前教室で。」 「泣いてないよ〜」 何と見間違えたんだろ?そう言いながら斜め上を見ながら考える。そして「ああ、」と何か思い出したような顔をして、それからクスクスっと笑った。 「あれは花粉症だよ。」 「ああ、そういえばズビズビしてたな、ひかり」 「うん、レーザーで焼いたからだいぶ楽なんだけどさあ」 それでもまた少しはムズムズするようで、へへ、と笑いながら鼻をすすった。コイツ子供みてぇ。 「耳鼻科行くまでひどくてさ〜、もう目がかゆくてかゆくて・・・。んで、目薬した直後に神田が教室入ってきたんだった〜。ははっ神田早とちりしちゃったね〜!」 「・・・・・」 「あれ、神田?」 あの放心したような呆気ない神田の顔は今でも忘れられない。 オチとして最悪 かわいそうに、アレン。 prev//next back |