地面を削る五秒前。






「政宗様ああああああああああ!!」

「Shit……もうばれたのかよ」


俺を呼びながら、鬼の形相で探し回る小十郎を、庭の茂みからこっそりと観察する。完璧に極殺Modeじゃねえか……。
テメェのやった行動に多少の後悔をしながら、小十郎の姿を見送った。小さく息を吐いて、茂みから出て、空を仰ぐ。


「こんな気持ちのいい日に、政務なんてやってられっか」


ぐっ、と大きく伸びをして辺りを見回した。Good、誰もいねえな。
城門へ向かう。広がり続ける青空に、鷹が悠々と飛び回っていた。
鳥は良い。隔たりの無い世界を、自由に飛び回ることが出来る。テメェの好きに。
―――そういえば、生まれ変わったら鳥になりたいと小十郎に言ったのは、何時の話だったか。


「空と同じくらい、天下は遠い……か」


小さく息を吐く。だが、だからこそ、それを掴みたい。簡単に掴めるものなんざ、面白くねえ。
ひっそり笑って、足を速めた。But……後ろからの殺気と感じる火花に顔が引き攣った。


「……見つけましたぞ、政宗様」

「こ、……小十郎?」


軋んだ音が出てるんじゃねえかってくらいゆっくり振り返る。
後ろの小十郎は文字通り鬼の形相で、全く笑ってない笑顔を俺に向けた。


「忙しいと分かっておられて、逃げ出すとは……」

「う、Wait!Wait小十郎!」

「今回ばかりはお聞きできませぬ!さあ、戻っていただきますぞ!」


地面に突き立てられた刀が、雷と共に地面を抉った。
……流石に逆らうのは、…俺の命があぶねえ。




地面を削る秒前。

title:ルールなんて必要ないね
配布元:Abandon



……いまいち何が書きたかったのか迷子にorz


111103
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