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「この一文いかがですか」

(2014/03/08)

ツイッター上で人様からワンフレーズをお借りして書いた短文たち。
適当に溜まって来たのでまとめます。
下線部がお借りした一文です。


春と呼ぶにはまだ遠い。そんな言葉を口にする、その横顔はいよいよ無表情。言葉が冬を立ち止まらせることができたなら、このままでいられたのに。日々はやわらかに、水たまりは溶けゆき、視線はただ膨らみつつあるつぼみを見張る。春と呼ぶにはまだ、


特別は誰からいただけるのでしょうか。多くを望むわけではございません。百人に愛されなくとも、ただ一人だけ、一輪の花を捧げてくれる人があるならば、私はこの上もなく幸福です。それだけのことで特別な私になれるのです。
ですから、特別とはあなたからいただいたもの。そうでしょう?


いい人を演じるなんて簡単だ。そう言うあなたはお人好し。悪人は、なんでもないような顔をして拍手を送るお前たち。悪魔はただ天井桟敷で静観する。


・サルビアの園には二度と戻らない、見も知らぬあなたたちは、その腕で私を抱くこともないのだろう。枯れた株を前にふと、そんな当たり前のことを、思い知るようにして感じるのだ。名を呼ばれて振り返る。……仮の名前がすっかり馴染んでしまったのはいつからだろうか。


甘すぎると、時に人は苦さを求めたがる。そういうものなのだ。だって私は他人の目から見れば十分すぎるほど恵まれているのだろうし、私自身も幸せなのだと思う。だけど、だからこそぶちこわしにしたくなる、瞬間がある。

(→ここから派生して雑多な物語群収録「ミルクティー色の恋人」ができました)




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