靡かせてフレアスカート(希)


ワンライ再掲。

それは雷に打たれたような、そんな衝撃だった。
「狙われやすいから気を付けた方がいい」
切れ長の瞳が私の瞳を打ち抜いた。
ありがとうございます、そう言おうとした時にはもう過ぎ去っていて、でも、私の心には彼女の姿がくっきりと鮮やかに残っていた。これが私と真希先輩との出会い。
紺のフレアスカートに特徴的なバッヂ。それを手掛かりに入学したのが高専だった。

◇◆◇
「真希せんぱあい!!!!」
後ろから先輩に抱き着くと、少し迷惑そうな顔をするのに避けないから、いつも甘えてしまう。
「アンタはいつもそんなテンションで疲れないのかよ」
「先輩に会えるのが嬉しいから元気になれるんですよ」
真希先輩の横に並んで歩く。すらりと長い脚に濃紺のフレアスカートがとても似合っていて、このスカートは真希先輩のためのデザインだと断言できる。今はコートで隠れているけれど、制服だけになるとスカートとトップスの間にくびれによってできる隙間がたまらない…というのは私だけの秘密。
「何じろじろと見てるんだ?」
「今日も先輩は格好いいなって」
「まったく、調子がいいんだから」
「先輩、ちょっとこっち向いてください」
先輩がこちらを向いた瞬間――チョコを一口、含ませた。
「む、」
「甘いでしょう?私は笑ってる先輩が大好きですから」
ぶわりと春の風が私たちを包み込む。止まった私たちの時間の中で、先輩のフレアスカートと私のプリーツスカートだけが、ひらひらと揺れていた。





back









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -