夏だ海だすいか割りだ!



配られた書類に挟まっていた一枚の青い紙を見る。
やけに異質なその紙に書かれていた文字を見て、ある者は呆れた用にため息をつき、ある者は面倒くさそうだと眉をひそめ、ある者は嬉々として隣の人物に声を掛けた。

「これは……ねぇわ……。」

ロクはと言うと、青い紙に向かって舌打ちをしていた。
恐らく幹部も下っ端も、同じ紙を貰ったに違いないとロクは考える。
何故なら本来幹部伝えで渡されるこの書類は、ボスの「犬」が持ってきた。聞けば秘書も配っているらしい。
おい暇なのかよボスこのやろう。なんて暴言を飲み込んでかわりに溜め息を吐き出した。


『プロテッツィオーネ幹部縦割りすいか割り大会、ビーチバレー大会、水泳大会(全員強制参加)。水着で参加する事。』


再びその文字を見たロクは、頭を抱えそうになった。
ぐしゃりと紙を丸めてとりあえず放置。

「日時をおって連絡します、じゃねーよ。書類くそたくさん回しやがって…!」

基本的に自分がデスクワーク担当ではあるが、如何せん回された書類がいつもの倍はあった。普段なら他の組員にも回されているはずだがいっきにきているような気がする。

「……おいまさかデスクワークさっさと終わらせて、マジであの大会やんのか…?」

なんだろうこの宿題に追われる学生のような気分は…。
ロクは溜め息をついて書類に取り掛かった。
普段あまりデスクワークやらない奴にも書類が回されていると思うと、少しだけ同情した。

「いや、普段からデスクワークしろって話か。…ああもうどうでもいいわ……。」

あとでしずくに愚痴ろう。
そう決心したロクは書類をどさりと机に置いた。





バカンスとはなんぞや!




因みに。
とある島に、ボスのツテのある海岸で大会はおこなわれます。
海の家もあるみたいで、近くの温泉宿に泊まるようです。
休暇感覚で楽しんでくださいね。




犬「さらに因みに。アジトを留守には出来ないんで何人かの下っ端(モブだと思って下さい)と、壊し屋の俺たちが交代でアジトに戻ります」

猫「仕方ないよねー」

鼠「行けないわけじゃないから問題ないしね!日焼けしたい!」

猫「お前もう茶色いじゃん」

鼠「うん。肌ひりひりしたい」

犬「救えねえなドM」

鼠「あんっもっと罵って///」

猫「なんか前よりドMに磨きかかってない?」

鼠「優しく撫でないでええええ」

猫「俺がお前の喜ぶ事するわけねぇだろ?」

鼠「うわあああ酷いいいい」

犬「…つっこまなくていいよな」








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