ユズユと少しだけフジの話
2013/06/18



最後の方、ちょっとだけちかゆずについて語ってます\( 'ω')/<ちかゆずぅ!





小さい頃からなまじしっかりした子供だったから、周りからは子供らしくないと言われ、変に頼み事をされたり頼られたりしていた。本人はそんなのやれないししたくないのに、周囲が期待するからやるしかない。頑張ってやって出来て、そしたら流石ねやっぱりねとまた頼られる悪循環

弟が割と駄目な子で、でも甘えたで子供らしかったから比べられて、それが苦痛で
誰かに甘えた事がなかった。両親は健気だいじらしいだなんて言って、でも頼る。人前に立つのはいやなのに代表を期待されたり、流石と言われたり。勘弁してくれ。周りも両親も

ついに中学の時、期待され勉強を頑張った、のに、「成績上がったよ。30位以内!」「じゃあ次は20位以内ね!」「20位以内になったよ!」「次は10位以内ね!」中学最後のテストで「頑張ったよ、言われた通り5番以内だよ」と報告したのに「トップじゃないのね」と言われ泣いてブチ切れた。そこから両親はようやくユズユを理解しはじめた

周りがユズユに期待して変なユズユ像を作る中、フジだけは普通だった。ユズユはそれが嬉しかった
でもフジは髪の色が周りと少し違った。それが段々と、違うからと言う事で疎外される要因となっていった。兄であるユズユの髪は、フジと比べると茶色混じりの黒だった
フジが髪の色を気にしているのを知って、かわってやりたいと思った
のに、周りはやはり二人を比べる
出来る兄、駄目な弟。普通の黒い髪の兄、異質な白い髪の弟。可愛くない兄と、なつこい可愛い弟
ユズユは弟に対して引け目を感じだして、いつしか根底にそれがすみついた。本人は無自覚

例え弟が気にしないと言って逆にユズユを心配しても、ユズユが吹っ切れたと口で言っても。ユズユは弟に引け目を感じて、きっと弟も自分を嫌いだと、無自覚に思ってしまっている
本人も気付いてないから、面倒
ちゃんとフジを大事だと思うのに、素直にそう言えないのは、そんな部分もあるから



ユズユが恋愛沙汰にあっさりしているのは、冷めてるんじゃなくて諦めているから
自分はなにもないから、求められてもなにもない。求められるものがない。甘えるのが怖い。どうしたらいいのか甘え方が分からない。両親でさえ自分を理解しにくいのに、誰が自分を理解できるのか。
無意識に臆病者
更に男同士で付き合った相手は体だけ求めるし、じゃあ体だけの関係が「アタリマエ」で「フツウ」なのかと錯覚
結局「やっぱり女の方がいい」と言われるなら、いらなくなるなら、捨てるなら、飽きるなら、その「アタリマエ」で「フツウ」に縋ろうとしている。無自覚

フジも少しだけ、自分の価値なんてそんないいものじゃないと思ってた。でも兄が一度だけ「お前には何にも変えられない価値がある。俺の弟だって事」と言われたり、トノに救われたりして、価値は他人が決めるかもしれないけど、胸をはれる自分だけの価値がある!と吹っ切れている。フジだってお気楽なだけじゃあない
ユズユは自分が言ったその言葉でフジが救われただなんて夢にも思ってない


ユズユは自分を否定されるのは確かに怖いけど、否定されたいとも思っている
期待もしない、頼りもしない、ただ、そんな自分を否定して欲しい。優等生みたいに、いい人みたいに自分を偽る自分を否定して欲しい
それで、本当の自分を愛して欲しい
そんなユズユ

ユズユが千影さんに惹かれるのは、ストレートに自分を否定してくれたり、素の自分を出させてくれたり、素の自分を嫌わないから。勿論無自覚
素の自分が出ちゃうのは千影さんの性格だろうなぁ、と。逃がしてくれないから、素を出さざるを得ない。煙に撒けない千影さん。言葉に惑わされない千影さん。真っ直ぐ自分を見てくれる千影さん。そりゃ、ユズユも無意識に心を許すわ
心を許したからこそ、最後の砦は大きい
ユズユが千影さんに無意識に抱いてる感情が、恋だなんて気付かないのは臆病者だから
恋と気付いて、その後に飽きられたらいらなくなったら捨てられたら、たまらない。だから、かなぁ、と
甘い恋を夢見て、でも怖くて、なら、大人にならなくちゃいけなくて
ユズユ視点のちかゆずは、そんな感じ







prev | next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -