▼ コンテスト
「別名を、トルコキキョウと言うんだ。」
全くなんの話なのか見当もつかないらしく首を傾げるリシーに、キミの名前の花の別名だよと教えてあげる。するとリシーは興味深そうに目を輝かせた。キミも花が好きなのかな?僕とお揃いだね。
「トルコとキキョウと全く関係ない花なんだけどね、綺麗なんだ。」
僕の言葉にそれで?それで?と続きを急かす鳴き声に笑ってしまう。
「そんなキミの名前の花言葉はね、すがすがしい美しさ、優美、希望…素敵でしょ?」
自分にはちょっと不釣り合いだと言いたそうな彼女の額を軽く人差し指で小突く。
「僕のセンスを疑っているのは心外だな。とても似合うよ、リシーに。」
そう言った途端、リシーは両手で顔を覆って走って逃げてしまった。うーん、どうやら照れられたようだ。