「かわいい、」

視界に映った瞬間、つい呟いてしまった。こんなにかわいい、それこそ人形みたいに整った俺の好みのドストライクに会ったのは、確か二度目だったと思う。



ああ話したいメアド知りたいお友達になりたい付き合いたい結婚したい。うん、結婚したい。俺はこの子と結婚する運命なんだ。きっといや絶対そうだ。よし、そうと決まれば善は急げ、と。

「僕と結婚からお願いします」

「……………。…でな、そいつが歩いてきて俺の肩にー」

ん、シカト?シカトか?ちらっとこっちを見たかと思ったら隣のやつとまた話始めたけどシカト?…ふむ、俺は今実に驚いている。まあでもシカトされたくらいでまーくんめげんよ!健気な俺!シカトなんてされたことなくてショックでかいけど頑張れ俺!健気に頑張れ俺!実は健気の意味よく知らない!


「僕と結婚からお願いします」

「…………………嫌だ」

「ピヨォォオオオ!?」

「ぇえええぇえぇええ!?」

さっきとは違いたっぷりと見られたあとに、持てる限りの嫌悪を滲ませたみたいな顔で見られながら嫌って言われた俺の気持ちを30字で答えよ!そんな目もいいなっておもっちゃった俺の気持ちも20程度で答えよ!くっそ!!!


「いいいい嫌だ!?なんでじゃ!なんで嫌なんじゃなあ教えてたも!」

「おじゃる〇かよ!てか結婚から始めるとか意味わかんねぇから!普通友達からじゃね?いや、友達から始めても結婚までいかねぇけどな!?」

「プッ、プリッ…」

フラれた…フラれてもうた…。人生初めての告白なんに…。

……………ん?

『おじゃる〇かよ!てか結婚から始めるとか意味わかんねぇから!普通友達からじゃね?いや、友達から始めても結婚までいかねぇけど!』


普 通 友 達 か ら じ ゃ ね ?


「と、友達になってくれるん…?」

「お、おう。そりゃあ友達ならいくらでもなってやるよ」

そう言って、怪訝な表情を一変し彼はふわりと笑った。俺は目の前にいるのが人間なのか天使なのかわからなくなった。

その笑顔に、既に貫かれ穴が空いてしまっているだろう心臓は更に穴を広げてもう原形を保てていないと予想する。いかん、あと3年もこの笑顔と付き合っていくとか考えただけで動悸が止まらん。


…あれ、この感じどっかで?










ふと、懐かしい感覚に襲われた。












...




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