:SHR


「あれ、仁王香水変えた?」

「え、変えとらんけど。てか今日香水つけとらんよ」

「まじ?なんか甘いにおいする」

「なんでじゃろ?…ああ、このカーディガン昨日ブン太に貸しとったやつじゃ。やけブン太のにおいがついたんじゃな」

「なるほど。それでお菓子みてーなにおいする…え?俺ってこんなにおいしてんの」

「そうやね。基本胸焼けするくらい甘ったるいにおいさせとるよ」

「…まじかよー。最近俺から仁王のにおいする気してたのに」

「…誘っとんのけブン太くん」

「え、なんでなんで」









:1限目


「眠ぃ〜…」

「さっきまで騒いどったくせに」

「どっかのバカが朝から盛るから」

「え、誰のこと?」

「…俺お前のこときらいだな」

「や!ごめんしゃい!冗談です朝から盛ったバカはコイツです!」

「ほんと元気だよなお前は。昨日だって、……」

「ん?昨日どーしたん?」

「昨日…。…う、うるせぇよ!授業に集中しろぃ!」

「なあ昨日なにがあったん?俺に言えんことでも?」

「っるせぇな!ニヤニヤすんなきもい!」

「えー?教えてくれんとまーくん困るぅー」

「…。先生!仁王くんがセクハラしてきます!」

「あっ、ズルい!」

「はいじゃあ仁王は教卓の隣に移動な〜」

「ピヨッ!?」

「ひゃっほう!先生大好き!」












:2限目


「…うーん…」

「人の顔見てそれは失礼にも程があるんやないかの」

「なんで俺はお前よりモテないんだよ」

「単純に俺のがかっこええからじゃろ。それにブン太はその辺の女より何千倍も可愛いけん、おそれ多くて近づけんのよ」

「貶してんのか誉めてんのかわかんねーけどなんかイラってきたことだけは確かだ」

「カルシューム足りとらんなり」

「カルシウムだよばか」

「カルシュームじゃろ?」

「なんだよシュームって。なんの茸だよ」

「それルームな」

「いいじゃん別に。シュームもルームも同じだろぃ」

「全然別もん!」









:3限目


「はいじゃあここの答えを、丸井」

「丸井くんジャンプ読んどりまーす」

「昨日はジャンスクで今日はジャンプか!授業なめてんのか!」

「……………………ん?なに?」

「読みおわったん?」

「うん!鳥肌たちっぱなしだった!」

「わあ。俺といるときより目ぇ輝いとるね」

「てかお前といるとき目ぇ輝かせた記憶ねぇんだけど」

「ひどっ!心折れてまう!」

「大丈夫だよ、仁王Mだもん」

「え、…えぇー…いや、うんまぁそうじゃけど…」

「うわあ認めたよこいつ」

「自分で言っといてなんじゃ」

「いやいや、まさかそんなキモい答え返ってくるとは」

「とことんツンじゃね」

「かわいいだろぃ」

「…ちくしょっ」

「…もういいや。じゃ佐藤、あの馬鹿の変わりにここ答えて」









:4限目


「プリント渡すからそれに将来の夢とそれを達成するためにやることがあったら書くこと。はい、始めー」

「……なあ、仁王の将来の夢ってなに?」

「ブン太の旦那様」

「んじゃあ俺お嫁さんって書いとこー」

「ちょ、え!?」

「なんだよ」

「ええん!?」

「はあ?なんだよ今さら」

「デレ期か!?遂にデレ期きたんか!?たまらんな!!!」

「うるせぇしデレ期じゃねぇしちょっと黙れもやし界のイケメン」

「ちょっと待ってもやしのイケメンてなんなん」









:昼休み


「めしー!!!」

「はいはいおめでとー」

「なんだよテンション低いな」

「普通じゃよ?ただ今日めっっっっっずらしく姉貴が弁当作ったらしくて不安しかない」

「仁王のねーちゃん料理できんの?」

「いや、まったく」

「じゃあなんで急に弁当?」

「今度彼氏ん家でご飯作ったげるんやて。その練習で作ったもん詰めたらしい」

「へー。いただきまーす」

「ああ…ブン太ん家のお弁当はいつも通り美味しそうじゃね…」

「母さん天才だからさ。仁王もいい加減弁当開けろよ、いくらなんでもねーちゃん可哀想だろ」

「…そうやね。…おーぷぅーん」

「「…………」」

「えーと…うん、美味しそうじゃん、うん」

「俺もやしやしね…。ちょっとは太れゆう姉貴の気遣いかも知れんの」

「そうだよ!ねーちゃんちょう優しいじゃん!」

「けどもう1品欲しかったかなあみたいな…」

「いや、大丈夫大丈夫!焼きそばおかずに白米ってのが逆に食いやすいって!」

「びっくりじゃよなあ。フタ開けたら白米と焼きそばやもん…」

「まあ、…びっくりはした」













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