これは………ありえん。

「明日の調理実習のテーマは朝ご飯です」

なんて言うとったから、よっしゃ!新婚さんの朝ご飯じゃな!って意気込んで珍しく家庭科にでてやったんに、

ブン太と班分かれた!!!!!!!

勝手に班決められたあんのクソ教師め!俺になんの恨みがあるんじゃ!

さらに最悪なことにブン太の班には、『すきあらばブン太とイイコトしたいと思ってるであろう男(俺調べ)』の上位2人がいる。これを最悪と呼ばずなんと呼ぼうか。


「え、みそ汁って何入れて色つけんの?しょうゆ?」

「さぁ?雅治わかる?」

「……しょう…」

「やっぱしょうゆ?」

「ちくしょう!!」

「は!?何言ってんの!?」


ブン太と同じ班やないうえに、俺の班の女2人はいかにも頭の悪そうなギャル。男2人はその彼氏。後は話したことない大人しい女がひとり。ほんまなんの恨みがあってこの班編成?わけわからん。

味噌汁の色づけ?あーもうほんま頭悪い。俺がこうしてる間に醤油いれとるし。もうそれ味噌汁と違うじゃろ。

嫌だ……嫌すぎる……。なんかもう帰りたい、帰ってブン太の手料理食いたい…ブン太と結婚したい……。


「おーい仁王、大丈夫かよ?」

「……お?あ、おん。何でもなかよ。あと味噌汁の色づけは味噌じゃ」

「あ!そっかぁだからみそ汁ってゆうんだぁ」

「さっすが〜!なにげテスト毎回30番以内にはいってるだけあるよね〜」

「え、仁王ってそんなアタマいーの!?」

「そぉだよ〜。しかもテニス部レギュラーのイケメンッ」

「うわ〜なにその言い方まぢ妬くわ〜」

「あっはは」


あははははははは!はいはい面白い面白い!うぜえからいちゃつくな沼面!汚い顔と汚い顔でラブラブオーラを出すな!そういうのは俺とブン太くらいの顔面になってからしんしゃい!

あー…ブン太の班楽し、そ……………ん?

おいおいなんじゃあのツンツン頭。ブン太にべたべた触りよって。調理実習中に肩に手置く必要ある?腰に手回す必要ある?そんな至近距離で話す必要ある?はあ?

何あれぶっころ。


「ちょ、雅治どこいくの!?」

「…へ?今俺動いちょった?」

「動いてたし〜!」


……まじか。完全に無意識だわ。無意識に殺すとこだったわ。あかんなあ、ああいう輩はちゃんと殺すって明確な意思を持って散々苦しめたうえで殺さなあかん。
うっかりうっかり。

……………はぁ、ブン太んとこいきたい。








「ブンちゃんブンちゃん」

「ん?」

「仁王くんすっごいこっち見てるよ」

「まじ?」

…うわ、まじだ。

てか仁王の班最悪だなあれ、味噌汁に醤油いれてるし。かわいそうに…とか思わなくもないけど日頃の行いが悪いからそうなるだしざまあみろだわ。

て、いってもこっちも微妙だよなあ。

なんかこのツンツン頭すげー触ってくるっつうかなんつうか……あれ、俺自意識過剰?


「あ、丸井指っ!」

「ん?…っ!?いっだぁぁ…」

「大丈夫丸井くん!?」

「ブンちゃんでも手切ったりするんだね!?」


ああああああ…マジ痛え割と深くいったなこれ…。


「大丈夫大丈夫。ちょっと切っただけだし、俺止血してる間みんなで進めててくんね?」

「オッケ!でも無理しないでね?」

「はいよー」


いい子だな、あいつ。名前知らねーけど。
つーか水に流してんのに血ぃ止まんね!


「大丈夫かー?」

「おーうん。こんくらい大丈夫だから気にしないで調理続けて」

チッ、話しかけんなツンツン頭!さりげなく腕掴んでんじゃ………はあ!?何指咥えてんの!?気持ち悪!!みんな調理戻ってんだからお前も切り替えろバカ!!!!

「あのさ!まじで大丈夫だから!」

「でもまだ血ぃ止まってねえし「保健室行こうか、ブン太」

「え…仁王?何してんの?」









は?指咥えるとか完全にアウトだろ。もう限界むりむりむり。指切った時点で動かなかった俺はほんとま偉い、表彰もん。でもあれはあかん。


「雅治どうしたのー?」

「ちょっと急用出来たわ」

「は!?」


あー、うるさいうるさい。


「…保健室行こうか、ブン太」

「え…仁王?何してんの?」

はあああん!たまらん!ブン太のキョトン顔犯罪!!

「ブン太こそ、なんでいつまでたっても血ぃ止まらんのに保健室いかんの?」

「………し、消毒液ってしみるじゃん」

きゃっはあああ!!可愛いなんじゃこいつ俺を殺したいのか!!!!
この時点で既にツンツン頭なんてただのモブである。ざまあねえな。きっとブン太の脳内からもとっくに追い出されとる。


「俺がおるからしみんよ!やけ保健室行こうな」

「意味わかんねーから」

「て、てかどっちにしろ仁王うちの班じゃねぇだろ!保健室なら同じ班の俺が連れていく!」

「いや、お前さんになんか任せんよ。俺が連れてくき引っ込んどいてくれんかの」

「いや、「いいって言うとるじゃろ」……チッ」


ふはは、ちぃと睨んだだけでこのザマじゃ。思い知ったかイケメンの睨み力。



「んーじゃ、この子借りてくけど頑張ってうまいもん作りんしゃいよー」

「あっはは、ブンちゃん結局保健室いくんだね」

「うちの班のことは気にしないでゆっくりしてきていいからね」

「すまんの、」

「いいっていいって!萌えるし!あ、やべなんでもないよ大丈夫」

「…鼻血でてるよ」


…ここはここで個性的なの固まったのう。まあ、俺の邪魔せんかったらどうでもいいわ。



はー、やっとブン太と2人になれる。



「何ニヤニヤしてんだよきもい」

「うふふふふ」

「見てください鳥肌が総立ちです。てかお前なんか変なこと考えてんだろ!手当するだけだからな!?」

「あーもうね、あれね」

「なんだよ」

「うふふふふ」

「まじきもいお前まじきもい」

「なんとでもいいんしゃい」

「………………うん…まあ…」

「ん?」

「……………ありがとな」

「………………おう」



この後めちゃくちゃセックスした。






...
にかいめのラブソング
日和ちゃんから
テーマもらいました^^




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