「はあ?テメーまでそんくらいとか思ってんのかざけんじゃねえぞ尻軽ビッチが」 「ビッチはブン太じゃろうが」 「黙れヤリチン死ね」 すいません、生まれてきてすいません。存在しててすいません先輩らに軽口きいてすいません!!やっぱり先輩は恐いっす半端なく恐いっす。そして丸井先輩の口調がどんどん汚くなってくのはどうやって止めたらいいんですか、俺の思考回路はショート寸前っすまじで。 とりあえず、空の頭をフル回転させて逆鱗に触れない言葉を捜してみる。さっきのといい今のといい、結果じゃなく過程、この試みを評価していただきたいっす。 「……に、仁王先輩は、なんで今回にかぎってクッキー貰ったんすか…?」 「あ?やからしつこかったからじゃて。お前のワカメ頭は二度も三度も言わな理解できんのか?中身までワカメなんか?」 すいません、生まれてきてすいません。空の頭フル回転させたとこでいいものなんてでるわけないですすいません。土下座させてくださいすいません。 ………でも俺めげない、だってこれ失敗したらきっと五感奪われるくらいじゃ済まないから。 「わ、別れないでくださいね?」 「なんで俺を見て言うんだよ。仁王見て言ってよ」 「信じてもらえないんなら別れた方がええじゃろ」 「だからそこまで言ってねぇっつってんじゃん!」 あー始まっちゃった…。だいたいどうして今日に限って仁王先輩こんなに丸井先輩の感情に疎いんだ?いっつもキモいくらい敏感なのに! 「どうしたいんじゃお前さんは」 ……ん?あれ?仁王先輩の手がシッシッてやってる?え、なにこれ。どっか行けってこと?お前は用無し、みたいな?…あ、この人最初っからちゃんと周り見てたんだ。けど2人になったらもっとやばくね…? 「………」 「はようしんしゃい」 すいまっせぇぇえええん!!今の完璧俺に向かってだよね!謝るからチラッと睨まないで!チラ見ならぬチラ睨み恐ぇ!!うん!失礼しました!!!どうぞ早く仲直りしてくださいお願いします!!! 「…あ、出てきた」 「解決した確率6%」 部室をでると、すぐそばに幸村部長と柳さんが立ってた。こっちも2人かよ。ってのはどうでもいいんだけどとりあえずわかったことは俺の恐怖タイムはまだ終わってないってこと。だって幸村部長、仁王立ちして笑ってるんだもん。目だけで 結果次第じゃただじゃ済まないからな って訴えかけてきてるもん。 「で?どうだったの赤也」 「いや、なんとも言えない感じっ「はあ?」 「すいませんすいませんすいませんすいませんすいません」 ドス声ぇぇえええ!!部長のドス声凶器ぃぃいいい!!怖い恐いコワイ!もうやだ泣きそう、なんで俺だけこんな目に合わなきゃいけないんだろ?神様も神の子も俺のこと嫌いなんすか?そうなんすか?しかしまあ仁王先輩に追い出されたことは事実だし、それそのまま伝えてもし仲直りできてなくても俺と仁王先輩で説教半々だからまだいいかな。 「た、多分大丈夫っす…!仁王先輩に出てけ的なことされたんで!」 「そっか…チッ、気に食わねぇ」 何が気に食わないんだ。 「でもあのまま喧嘩がヒートアップするよりはよくないすか!?」 「丸井は部室を破壊しかねないからな」 「ほんとっすよ!前にあの2人が喧嘩したときなぜか俺のロッカーだけべっこべこでしたからね」 例のアレね、アノ時ね。ほんとすごかったんすよあのべっこべこ加減。べっこべこすぎて開かないのは当たり前のこと、中に置いてた物が全部奥まで吹っ飛ばされたみたいに寄ってたの見て震え上がった。さすがうちの喧嘩番長はぶっ飛んでる。そのあとは何故か俺だけ副部長に怒られるしもう散々。やったのが丸井先輩じゃなかったら潰してるからね。え?だって丸井先輩に攻撃なんてできるわけないじゃん。かえりうちに合って終わりっすよ。 「ブン太の隣がいいって駄々こねたのは赤也じゃないか」 「そうっすけどー…普通自分のロッカー避けて隣べこります?」 「ああ、あのロッカーの修理代のせいで今年の夏合宿は予算が足りなかったんだぞ。どうしてくれるんだ」 「え?でも去年より豪華な宿でしたよね?」 「俺らの他にもうひとつテニス部の団体がきていなかったか?」 「んー?………あ!氷帝!」 まあ確かに氷帝は金持ち校だな。えっ、でも一応敵校だし…?え、もしかして、え!? 「ふふっ、柳は本当に賢いよね」 部長、そーゆーのずる賢いって言うんすよ。 「ん?何か言ったか、赤也」 「なんでもないっす!」 読心術恐ぇぇえええ!!柳さんマジ柳さん! 「極力宿の質は下げたくないからな。というか下げたら精市が怒るだろう」 「当たり前じゃない!宿は大事だよ宿は」 「休むなら質の良いところがいいからな」 「…………」 だれか三強の実年齢を教えてください。 ジャッカル先輩と柳生先輩の回避能力といい、紅白バカップルといい、三強といい……いくら仲良いっつってもやっぱ3年は恐いっす…。 ... |