「うっわ」


「どした?」


「見て、これ」


「おん?…うっわ」


「な?な?むかつくから仁王にも送ってやるよ」


「何もしとらんのになしてムカつかれなあかんのじゃ」


「もう送った」


「……」


「ほら、お前の携帯震えてんぜ?」





「…うっわ。ほんまにきとるし」


「待受にドウゾ」


「こんなん待受にするんやったらブン太のアヘ顔待受にするわ」


「何撮ってんの!?」


「アヘ顔とかイく寸前の顔とか」


「きっも!!!!」


「あ、ちゃんと普通のもあるんよ。寝顔」


「よーし、歯ぁ食いしばれ!」


「冗談なり。イく前の写メは無い!撮らしてくれ!」


「だが断る!てか消せ。アヘ顔も寝顔も消せ」


「嫌じゃ。これ俺の癒しとおかずだに」


「ぎゃあああ!!!キモいキモい全身の鳥肌立った!!!!」


「ちょ、ここはお約束の画像にヤキモチじゃろ!」


「妬かねぇし!写ってんのも俺なのに妬くわけねぇじゃん吐くほど気持ち悪ぃけどな!お前キモいな!今更だけどキモいわ!」


「俺のブン太にこんな画像送ってくる方がキモいわ!てか誰じゃこんなん送ってきたやつは!俺のブン太にこんな汚いもん見せやがって絞め殺したるそいつ!」


「俺のブン太って2回も言ったな、まあいいけど」


「まじでか、確実に殴られるか思うとったわ」


「今はお前のそーゆーのよりこっちの画像のが不快」


「やから誰から送られてきたんじゃて」


「んー…ストーカー?」


「はっ!?」


「いやそこはプリッ!?とか言うとこだろぃ。何回アド変してもメールくるから面倒臭くて諦めたらしょっちゅうこんなん届くようになった」


「あまりの殺意と驚きに忘れとった。そいつ殺そうか今すぐ」


「顔知らねーから対処のしようがないの。てかもう何回かきてんだよねー、このテの画像。全部即削除してるけど」


「そのこと知っとるやつおる?」


「ううん、仁王だけ。今初めて話した」


「はー…。とりあえずそのアドレスば登録しんしゃい。名前は…ストーカーとか適当につけて」


「登録?」


「登録したらメール開かんでもわかるじゃろ、そいつからきたメールって」


「おお!頭いーな」


「そんで何べんメールきても絶対開いたらあかんよ。読まんで削除しんしゃい」


「白ヤギさんたら読まずに食べたー」


「お返事書は書かんでね」


「はーい」


「おん、ええ子。ところでブン太よ、そのストーカーさんは女かえ?」


「さあ」


「どうしたもんかのぅ…。とりあえず見つけ出す?参謀辺りにも手伝って「だめ!」…は?」


「誰にも言いたくない、迷惑かけたくない。言ったらだめ」


「…わかった。しかしこのストーカーさんは俺のブン太にこんなん送って何が楽しいんかの」


「さあ?俺がこの写メみて嫌そうな顔してんの想像して興奮してんじゃねーの?」


「悪趣味極まりないなり」


「ほんとにな。しかも夜中にメールくることが多くてさー、最近寝不足気味」


「電話は?」


「たまにかな。変声機使ってるから性別はわかんね。しかも電話ブチるとその直後に照れやさんとかいうどっかの誰かさんみたいなうぜーメールくる」


「あー…、もう電源切っときんしゃい」


「そんなんしたら滅多にない仁王からの電話にでれねーじゃん」


「っ、ブン太…!!!」


「え、何!?うざ!ちょ、くっついてこないで!うざいから!なあうざいから!てちょ!スリスリすんなまじきもいお前!!」


「俺一応彼氏なんじゃけど」


「そーですね。でも俺今そーゆー気分じゃないの。彼氏なんだったらその位読み取れよ詐欺師のくせに」


「ちょうツンデレ」


「まじうざ」


「酷すぎる………ん?…な、ちょお見て」


「何?、てお前これさっきの写メ…消せよこんなもん」


「やから今消そう思うてたんじゃが…これ、この女、D組の井上やなか?」


「はん?女?んーまあ、言われて見れば似てるかも」


「いやこれ絶対井上じゃて」


「じゃあ、この顔が写ってないストーカーが井上にハメ撮り要求して俺に送ってきたってわけ?つかほんときもい、もういいから早く消して」


「んー…もしくは井上がストーカーとか」


「井上が?ああ、ストーカー=男って考えてたから思い浮かばなかったわ。やべ、仁王天才的」


「ふふんっ、もっと崇めんしゃい」


「けど井上はないと思うぜぃ」


「肯定からの即否定かい」


「だってこいつ、仁王のこと好きらしいし」


「へ?」


「うわそれ可愛くない。今井上と仲良い感じの女の子何人かにメールして聞いた」


「早!顔広!コミュ力カンストしとるもんな!」


「8人中7人が仁王って言ったから仁王の確率90%超えだな」


「正直ブン太以外の人間に好意持たれても疎いだけなんじゃけどなあ」


「やっべ、俺すげー愛されてんじゃん」


「当たり前じゃ。うん、そんで話戻すけど、井上は俺んこと好きやけブン太んことストーカーしたん?」


「まあそうだろ。はっきりとはわからないけどさ、俺を精神的に追い詰めて俺らの関係を崩したいとか?あ、仁王に浮気疑わせて別れさせる為とか」


「陰湿っちゅーか面倒くさいっちゅーか」


「好きなら正々堂々くればいいじゃんね。腹立つ。まあ正々堂々きても仁王は渡さないけど絶対。あーマジむかつく」


「…もうっ、俺も負けん位愛されとるね!」


「や、違う。これはほら、あれだよ!あれ!」


「よし、ストーカーさんとこ行って俺らの愛見せつけてこよか」


「は!?嫌だし!しかもまだ井上だって決まったわけじゃっ、ちょ降ろせ!」


「暴れんなあほ!ただでさえ重いんじゃけ!」


「すいません…ってあ゙あ゙!?」


「あっはははブン太かわいー!」


「うっせーなあチョロ毛抜くぞこの野郎!!」


「そんな赤い顔で睨まれても怖くありませーん」


「っ…くっそ、後で覚えとけよ…」


「はいはい」








(ストーカーの狙いがブン太やなくて良かった)

















...

井上ごめん。




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