「ブーン太」


「なに」


「好き」


「そう」


「大好き」


「あっそ」


「愛しとうよ」


「そりゃどうも」


「結婚してください」


「お断りします」


「付き合ってください」


「なら奥さんと別れて」


「つ、妻と別れる手配なら今して「嘘!!貴方はいつもそうやって言うけど、…本心じゃ、ないんでしょう?」


「何を言ってるんだ!僕には君しかいない!」


「なら早く奥さんと別れて!証拠の離婚届けと私との婚約届けを持ってきてよ!」


「妻がなかなか了承してくれないんだよ…。でも必ず妻とは別れる!だから、な?」


「ふふっ、嘘がお上手ね。貴方のそのいやらしい唇から何度同じ言葉を聞いたと思ってるの?私、もう疲れたわ」


「嘘なんかじゃない!信じてくれよ!」


「もういい。貴方とすごした時間はとても楽しかったわ、素敵な思い出をありがとう。…さよなら」


「ちょ、待ってくれ!行かないでくれ!!」


「っ、離して!…痛い」


「あ、ああ、すまん…」


「…私だって、本当は別れたいわけじゃない。でももう若くないの。貴方は家庭があって幸せな人生かもしれない、けど私はまだ独り身で、情けないけど先のことを考えたら怖くて怖くて仕方ないのよ…。だからいつまでもこんなこと続けてられないの」


「僕が!僕が必ず幸せにする!だから…!」


『―仁王!』


「!!」


「ほら、愛する奥さんがお迎えにきたわよ?早くお帰りになられたら?」


「今帰ったら君は…君はもう僕の元へは戻ってくれないだろう…?」


「当たり前じゃない!私だってそこまで都合のいい女じゃない!」


『―丸井!』


「っ!」


「この男は…!?」


「か、彼はそのっ」


「僕だけだと言いながら、浮気してたんだね?嘘つきはどっちだ」


「違うの!彼は…彼は…っ」


『いい加減にしろお前ら!』


「「いっだ!!」」


「なにすんだよぃ!」


「教科書の角はあかんじゃろ!」


『何で逆ギレしてんのよ!あんたらのせいで周りが授業に集中できないでしょうが!』


「うっせーなあ犯すぞ!」


「そのあと俺がブン太を犯す!」


「まじでか!きっつ!」


「俺テクはんぱないけ安心しんしゃい」


「えっ、そんなことされたらブンちゃんぐちゃぐちゃになっ『うるせえって言ってんだろうがあ!!』


「あかん!ブン太その台詞あかん!鼻血でそう!」


「天才的だろぃ?」


「小 悪 魔 ウ イ ン ク い た だ き ま し た !」


『あんたらね、今は演劇の授業でなければ保健でもないの!公民なの、公民!!』


「ちょ、先生うるさい。新米だからってそんな張り切んないで」


「そうそう、もっとシャツのボタン開けてスカート上げて」


「やべえ仁王超関係ねー!」


『あんたらそれでも15歳か!』


「まーくんまだ14歳やもん」


「仁王のもんって超絶きめぇな」


『てかさっきのベターな演劇はなに!?授業聞く気ないでしょ!』


「あれ?あれはある種の社会を再現したものです」


『うまくないからね!?』


「因みに、妻子持ちのサラリーマンが俺でその愛人がブン太ぜよ」


「んで先生はサラリーマンの妻兼愛人の彼氏役ー」


『設定なんて聞いてないわよ!ちゃんと授業を聞け!!』


「あ。3、」


『はあ?』


「2ぃ、」


『私の話し聞いてるの2人とも!?』


「「いっち!」」


―キーンコーンカーンコーン…




「授業終わりましょ、先生?」


「プリッ」




『っ…ざけんなあああああ!!!』










...
新米女教師です。
大人の女性とは思えないほど汚い言葉遣いですね。




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