バァンッ!!!! 「うるさっ」 「ハァッ、ハッ、あー…間に合った…」 「おーおはよー仁王。つかドアうるせえよ」 「はよ。それはスマン」 「お前さ、そんな走るくらいなら朝練余裕で間に合うように起きたらいいじゃん」 「起きれたら苦労せんわ。しかも今日は間に合ったぜよ」 「…すっげえ急いだんだな」 「おん。なしてわかったんじゃ」 「え、気付いてねーの?え?マジで?本気と書いてマジで?」 「?」 「お前、下スウェットじゃんそれ」 「……」 「……」 「…………て、てへっ☆」 「はい可愛くなーい」 「ななななんでスウェットォオォオオオ!?」 「うん、それこっちの台詞だからな」 「スウェットて…。…あああああ!?」 「いちいちうるせえってば!どーしたよ!」 「スリッパ穿いてきてもうた…」 「は?さすがにそこまでは見てなかった…っておまっ、それ」 「便スリじゃん」 「…違いますー。オシャレサンダルですー」 「いやいや、どうみても居酒屋の便スリにしか見えねえよ。てかよくそれで走れたな!」 「意外と走りやすかったなり。…でもこれでテニスはできんじゃろ」 「その前に真田の鉄拳と説教だろい。上のジャージだけじゃん、まともなの」 「あれ、そういえば真田の姿が見えんのじゃけど…」 「仁王くる直前にどっか行ったぜ。よかったな、他のやつらはもうコート入ってるし」 「みんなして早いのう」 「お前が遅いの。そして俺も」 「お前さんはどうせ朝飯に夢中になりすぎたんじゃろ」 「おう。イチゴジャムかチョコで迷ってさー、イチゴもチョコも食った。それにメープルとブルーベリーと王道のマーガリンさん」 「聞くだけで胸やけしよる…なして朝からトースト5枚も食えるんじゃ」 「さっきのやつにサンドイッチも食ったけどな。なんか今日の朝パンばっかだったなー」 「そんなんだから太るんじゃ」 「いーの、朝練で消費すっから!お前はどうせいつも通り朝食ってねーんだろ?」 「朝はどうしても食べれんくてのー」 「なのに軽く遅刻のうえ下スウェットに便スリですか」 「遅刻ちゃうわ!そしてオシャレサンダル!これ凄いんじゃよ!?通気性◎、防臭効果◎、防水性◎、おまけに走りやすいときたもんだ!」 「どこのおっさんだよお前は。てかスウェットにカレーのシミみたいなんついてる」 「は!?なんちゅうとこについとるんじゃ!」 「調子こいて白なんか買うからだ」 「白って調子こいとるように見えるん?俺調子こいとる?」 「ああもう髪も肌もその便スリもスウェットも白いから真っ白だな。燃え尽きろよ」 「…燃え付きたぜ…真っ白にな…」 「ジョォォオオオオ!!」 「ブン太、丹下段平やりたかっただけじゃろ」 「ばれたか。俺おっちゃん好きなの」 「立つんだジョー!てか」 「仁王って、イリュージョンとかすげーのに普通のモノマネ超似てないよな。この前の猪木とかもう見てられなかった」 「ふっふん、元気があればぁなんでもできる!いくぞ!」 「いや、やんなくていいから。記憶がフラッシュバックする。俺あのあと真田の鉄拳くらいそうになったんだかんな」 「それは俺もぜよ」 「2人で部室掃除させられたよなー」 「俺としては…あのまま部室でイケナイ事しかったんやけどなぁ…」 「ブハッ!ちょーキモい!どこぞの変態ボイスで囁くな!」 「似とった?」 「似てた。キモいくらい似てたっつーかきもい近寄るな」 「猪木ばかにされたお返しじゃー」 「俺がばかにしたのは猪木じゃなくて、猪木のモノマネ(似てない)をしたお前」 「似てないですかー!」 「もー!似てないって言ってんじゃないすか!!」 「お、今の赤也かえ」 「うん」 「めっちゃ似とった」 「だろい。天才的」 「お前らは本当に俺がいることに気付いていないのか?」 「「!?!?柳!?」」 「なんだ、人を化け物(または精市)のように…。失礼だぞ!」 「お前さん、かっこ書きしたらなんでも許されると思うとるやろ」 「幸村くんにかっこ書きなんて通用しないんだぜい?」 「やーなーぎーくぅーん…」 「ほれ、噂をすれば」 「もはや幸村くんの存在がA級ホラー」 「違うぞ精市。さっきのは俺の真似をした仁王の台詞だ」 「プリッ!?」 「ふーん、……あれ仁王、おもしろい恰好をしてるね。早速真田に報告するとしよう」 「俺も付き合うとしよう」 「っ、あんまりじゃ…!!」 「泣くなジョォォオオオオ!!!」 「もうええわ、それ」 「まじか、悪ぃ」 ... 便スリ=便所スリッパ |