「何のッ、成果もッ、得られませんでしたぁぁああああッッ!!!」



「…………あれ、なんなんすか」

「進撃の巨人ごっこだって。なんか深夜に映画やってんの観て今さらハマったらしい」

「へぇ〜…止めないんすか?普通に頭おかしい人になってますけど」

「元々おかしかったしいいんじゃね?」


「俺がこの世に生まれたからだ!!!」


「うるさい!もう!さっきからうるせーっすよ!」

「朝からああなんだよマジでうるせえ。お前アレ食っていいよ」

「えっ?は、」

「駆逐してやる!!この世から…一匹…残らず!!」

「ハァ!?ちょ痛!痛い!首にチョップすんのやめて!」

「ラァッ!」

「痛ッ、マジ痛ぇやめっ、…やめろ!!!!」

「っ……痛ぁ…」

「よっわ、この調査兵団員よっわ」

「…………そいつは昨日まで訓練生だったんだ。まあ、昨日まで、の話だがな」

「へ?丸井先輩何言って、」

「おとなしくしてろ…そうしないとお前の肉を…綺麗に削げないだろうが」

「ぎゃあああああ!!!!痛ぇええええええええええ!!!!!!半端なく痛ぇえええええ!!!!!!俺今首ついてます!?!?!?ちゃんと首ついてます!?!?!?」

「へ、兵長…!」

「兵長!?」

「おい…ガキ共…これはどういう状況だ」

「何か言ってる!さっきまで溜息ついてた人が何か言ってる!」





「………………赤也のノリが予想以上に悪くて興醒めじゃ」

「それな」

「何この先輩たち…もう嫌…」

「俺はへっぽこ調査兵団員、ブン太は兵長、お前は巨人。オーケー?」

「うっわあ腹立つ。つーか仁王先輩はへっぽこでいいんすか?でなんで丸井先輩が兵長?身長っすか?」

「はい駆逐する〜1.6m級モジャ種駆逐〜」

「あっはっはっは!モジャ種!あーっはははははは!ヒィ!」

「仁王先輩の高笑い超うぜえしモジャ種って…奇行種的な…?」

「そう奇行種的な。巨人なんてみんなストパーあててんのかよってくらいストレートしかいねえのに、そこにお前みたいなモジャモジャいてみろよ。それはもうある意味で奇行種」

「もうなんか酷すぎて言い返せねっす。で、なんで丸井先輩が兵長なんですか」

「そりゃお前、強いからじゃよ」

「あー…」

「ブン太強いじゃろ?喧嘩が。めちゃくちゃ強いじゃろ?大人5人相手に傷ひとつ作らず勝っとったじゃろ?こいつ兵長にせんで誰を兵長にするっちゅうがじゃ」

「俺、強い」

「なんで急にカタコトなんすか…までも確に丸井先輩は強いっすね。俺首の痛み治まらないっすもん」

「あ、首紫になっちょうよ」

「マジじゃん。それ早くアイシングして湿布貼らねーとやばくね?」

「え?そんなになってんすか?確かに痛みは尋常じゃないですけど…え、そんなに?テニスに支障きたします?」

「支障出るだろなあ」

「……あー、今絆創膏しか持っとらんぜよ。………いる?」

「いらねっすよ!絆創膏でどうしろってんすかあ!」

「まあまあ、骨にいくほどはやってねーから安心しろい」

「すげえ全然安心できない言葉!」

「喧嘩慣れしとる奴の言葉はちゃうのう、重みが」

「重過ぎっす…。あーもう泣きたい。なんで俺ミーティングに早く来ただけでこんな目に遭わなきゃいけないんすか?つーかなんで今日に限って他の人ら遅いんすか?」

「…さあ?」

「この3人が早いってのが既に変な状況やしの」



「…………あれ、皆さんなんでここに?」

「おーヒロシお疲れー」

「お疲れさん」

「お疲れ様っす!今日ミーティングだからいるんすよ?あれ、もしかして柳生先輩ミーティング忘れてましたァ?」

「その、しめしめ普段勝てない人を馬鹿に出来るチャンス到来、みたいな顔やめてください純粋に腹が立ちます。ミーティングは会議室でやることになってましたよね?部室に変更されたのですか?」

『…………え?』

「ですから、元々会議室でやる予定のミーティングが部室に、」

「違う違う違う!そうじゃない!そうじゃないっすよ!え!?会議室でやるんすか!?」

「ええ。私はそう聞きましたけど…」

「ほ、ほななして柳生がここに…?」

「初めから委員会で遅れる予定ではあったんですが…部室に忘れ物をしていたことに気付きまして、ついでに回収しようと寄りました」

「てことはさあ…もう結構ミーティング進んでるってことだよな…?」

「そうですね。少なく見積もっても20分前には始まっていると思います。…………おや、そんなに青ざめてどうしました?」

『やばい』

「は?」

『やばい!!!!!!』













「で?3人いて誰も他の部員に確認しようとしたりしなかったわけ?」

『…………デス』

「は〜…馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけど馬鹿すぎるでしょ。………ちょっと待って、そもそもの話なんだけど、2人は今日会議室に変更になったの知ってた?」

「?知らなかったぜ」

「俺も知らんかった…てか俺とブン太は同じクラスやけどっちかしか知らん状況ってあんまないやろ」

「……」

「赤也?」

「ヒッ!う、あっ、は、ハハハハハハハヒィッ!!?」

「俺さあ、昼休みに、お願いしたよね?」

「……」

「お前が、伝えときますよって言ったから、それ信用してお願いしたよね?」

「……」

「でお前は、任せてください、って、言ってたよね?なのにどうして仁王と丸井は知らなかったのかなあ?おかしいね?赤也がちゃんと伝えてくれたはずなのにね?」

「……っ…すんません…」

「は?何?聞こえない」

「すいませんっした!!!!!!俺のせいです!!!!!!」

「ふざけんなモジャ種テメェのせいかオルァ!!!!」

「やっ、あの、」

「言い訳なんぞいらんわ俺ら何も悪ないんに正座で説教されよるんぞこんモジャ種がァ!!!!」

「まっ、話せばわかるっ、」

『駆逐してやるぁあああああ!!!!』








...




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