「ちょっとこれ見んしゃい。この前ブン太が引っかいたとこ痂皮になってもうた」

「かひ?」

「瘡蓋のこと」

「へー、かひって言うんだ。方言かなんか?」

「いや医療用語」

「なんで知ってんだよ」

「生きとるといろんなことがあるもんじゃ。ってか話し反らすな」

「あら、ばれました?」

「あからさまに変えられたらいくらなんでも気付くわ。どっかの小ブ(ン)タと違うだに」

「それはかっこ書きスルーで殴ってください、っていうM(ASAHALU)的願望?」

「パクったー。小ブ(ン)タが俺のパクりい゙っだぁ゙あ゙あ゙あ゙!?!?!?」

「うわ見て!引っ掻いた時より血でてきた!」

「うわっ!?うわうわうわうわ!!何しとんの!?」

「何って、瘡蓋剥いだ?」

「わかっとるわ!ここでお約束のそれいらんから!痛いから!せっかく瘡蓋作って治ろうと必死に頑張っとるんにあんな勢いよく剥がすとかあほか!」

「綺麗だしいいだろい」

「え?何の話!?」

「仁王の白い腕に真っ赤な血の線ができてて綺麗」

「怖いこの子怖いだいぶ病んどるーお母さんタスケテー」

「てかお前肉しか食わねえ割には血サラサラだし色も綺麗だな」

「えー…もしかしてこういうん好きだったりするん?加虐心煽られる的な?それとも患ってる的な?」

「んー、俺は血が好きなんじゃなくて赤色が好きなの」

「けど血は普通嫌じゃろ…」

「そう?…あ、血止まってきた」

「そらよかった。いつまでもサディストブン太の見せもんになっちょるなんて御免やけ」

「別に見せもんとかそういう気持ちで見てたわけじゃねーし」

「ほう?よう言うわ、そのかいらしいおめめ輝かせて見よったくせに」

「赤色だからな、しょうがない」

「何、それは自分の血でもいいん」

「やだよ」

「即答ですか」

「血流すには痛いことしなきゃないじゃん?俺仁王と違ってマゾじゃないから痛いの嫌いなの」

「俺もマゾやないち」

「あ、あと事故とかの血も嫌いだぜ?」

「うん、もうこの際微妙に噛み合わないのはスルーしよか。なんで事故のはだめなん?血いっぱい飛び散って綺麗なんじゃなかと?」

「ぐちゃぐちゃで汚いじゃん。飛び散るなんて論外だわ赤色がよく見えなくなるし。しかも事故って血だした人痛がってるしさ」

「ふーん。…俺も規格外の痛さやったんじゃけど」

「でも仁王のは綺麗だったよ?」

「意味がわからん」

「真っ白いのが赤に染まってく感じが、俺が仁王を支配してってるみたいで良かった」

「結局サディストなんやね」

「幸村くんとかも綺麗なんだろうなー」

「刺してみたら?」

「幸村くんにそんな感情向けた時点で謎の死決定だし」

「確かにの」

「つか別に血が見たいわけじゃねぇの。白をバックに映える赤、ってのが綺麗だなってだけ」

「変わった子やねーほんま」

「どこの年寄りだよ」

「年寄りくさかった?」

「うん。あーほら、その白髪とピッタリあってんじゃん」

「まあ…俺ブン太に愛されとるね」

「は?今までの会話にそんな要素あった?」

「全体的に」

「お前の方が変わってた子だと思う」

「個性的って言うて」

「やだね」





支配したい=愛してる?






(あーあ、折角閉じた傷口またいちから修復作業せんといけん)
(お前がやるわけじゃねーじゃん)
(うるさいわ、引っ掻いた張本人は黙っとれ)
(あれはいつも以上に激しくした仁王が悪い)
(煽るブン太にも問題があると思うの)
(ごめん俺小悪魔星の王子だからさ)



...




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