例えば、学校の玄関とかにある蜘蛛の巣を、蜘蛛の巣あるーって思って一応とるじゃん。その時、壊れた蜘蛛の巣からそれを作った蜘蛛が出て来るとして、俺その蜘蛛殺せないんだよね。何故って?そんなの俺にもわかんないよ。 うまく逃げられながらも、やっとつかまえた蜘蛛。ただ、何となく殺すのは勿体ないような気がして。だから、結局外へ逃がしちゃうの。そしたら蜘蛛はまた来て、同じ所に巣を作る。それに気付いた俺が、また巣を壊し、蜘蛛を逃がす。その繰り返し。わかってるんだよ、心では。殺しちゃえばもうこない。でも殺せない。 身体が、脳の命令を無視するの。 俺にとってのお前って、そんな感じ。 「俺の巣は壊されるんか」 「うん、お前は俺のところくる度に巣作ってくから」 「壊さんでよ」 「無理。いちいち壊さなかったら蜘蛛の巣はどんどん巨大化して、俺の中を侵してく」 「侵されてよ」 「いやだね」 「とか言うとる癖に、なんでいつも俺の膝の上に座るんじゃ」 「偉いだろ。ここ俺の特等席」 「ほんま、お行儀よくてエライよブンちゃーん」 「ブンちゃん言うなまーくん」 「きも!まーくんて俺以外の人が使うとさぶいぼもんじゃな!」 「お前が言ってもさぶいぼもんだよ」 「もー、ちゅーしちゃるぞ」 「よくそんなあからさまに話題変えれんな。お前の勇気に乾杯だよ」 「んー…」 「いや、しねーし」 「えっ」 「したら、巣壊すの大変になるでしょ」 「最近毎日しようよ?」 「うん。だから、巣を完全に壊せないの。どんどん巨大化してくの」 「そんまま、俺の巣でブン太ん中埋めちゃる」 「やめて、メーワク」 綺麗な六角形に張られた巣でできた、歪な愛の形? ... 意味不明でござる |