×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

小さい頃から花京院典明は一人で行動をしていた。友達がいなかったというか、関わろうともしない。結構難ありの性格だなと思っていたし、先生の仲良くしてあげてとまわりの子へ声をかける姿を何度も見ていた。そんな私は小学生の頃に花京院典明と何回かクラスが同じになり、全く気にせず普通に接していた記憶があった。中学生の頃も席が近くなったこともあったが、本当にもの静かで会話が続かないことがイメージが残っていた。とっつきにくいが別に気にならなかったし、私も気まぐれで話していただけだった。そうして高校も同じところに進学してしまった。いるよね、小さい頃から知っていたけど、まさか高校も同じになるとは思わなかった奴って。しかもまた席が前後になってしまった私はよく授業中頻繁に寝ていたのだが、ある日を境に目を覚ますと目の前に緑色のお化けがいた。ひ、っと声を出しそうになるのを慌てて抑えるが、そのお化けはずっと花京院典明から離れなかった。触れようとすれば空気をかするだけ。あー、これ絶対お化けだ。放課後にすぐ花京院典明、あんた呪われてるよ。そう素直に彼へ言ってしまったのだが、花京院典明はとても驚いた顔をしていた。そりゃ誰だってお化けに付き纏われてるよなんて言われたらまずお前大丈夫かよって思うか、騙されて本気にするかのどちらかだよね。まさかそんなに驚くくらいだと言うのなら、花京院典明は後者のタイプだったのか?その雰囲気でお化け怖がるタイプだっていうの?なんか変なの。


「君、これが見えるのか?」


すると途端に引っ込んだお化けをもう一度出現させる。素直に頷くと君も素質があるんだねと言ってくるので、花京院典明は怖がるタイプでも信じないタイプどちらも外れだったみたいだ。花京院典明はまさかの幽霊が操れるタイプだったようで、っていうか飼っているようにも見えるんですけど。なにそれ私にも素質あるってことはお化けを出現させれるようになるかな。んな馬鹿な。


「これを話したところで誰にも信じてもらえないと思って、塞ぎ込んでいたんだ。やっとこれを見える人に出会えた」


そう言った花京院典明の目はとても輝いていて、私の手を取り付き合ってくれという。いやなんかおかしくない?私好きだとも言われてないし絶対今だけの感情で動いてるのわかってるから。やっぱ花京院典明はクセのある性格しているわ。無理。私追われると逃げたくなる性格だし、面倒事はごめんだわ。と思って逃げたのだが次の日からいつ知ったのか朝から家の前で待機されていた。一緒に登校しようというのだ。無理です本当に。しかも毎日のように来るものだから、私の母親も勝手に付き合っているのだと勘違いし出しそれを本人に伝えてしまうと、花京院典明は僕は絶対幸せにしますなんて言いやがって。誤解されるからやめろほんと。付き合ってないし友達ですらない。なのに、帰りも同じ教室だから逃げられず一緒に帰ると言われ、お昼も一緒に食べようと言われるのであった。いやほんと無理とかきもいだとか言ったところでなーんにも効果ない。この人全然人の話聞かないタイプじゃあないか。しまいにはエジプト旅行に家族と行く予定だったけど、私といる時間の方が楽しいから断ったとか言いやがった。いや私からしたらエジプトにでもどこにでもいってくれる方が嬉しいのでどうぞ旅立って下さい。ってか高校のうちにエジプトに行けるってどんな家庭だよ金持ちかよ。


「私がお化け見えるだけでどうしてそんな嬉しいの?」
「今まで信じてくれる人なんていやしなかったからだよ。これからも現れることなんてない。だから僕は君を運命だと思ったよ」
「私は思ったことないですけどね」
「絶対君には僕しかいないはずだ」
「花京院典明の自信はどこからくるのでしょうか??」
「だから何度も言っているけど僕をフルネームで呼ぶのはやめてくれないか。典明でいいよ。結婚したら君も花京院になるからね」
「私の人生勝手に決めないで」


そうして私は絶対大学はこの人と違うところに行こうと決心するのであった。

20200426