2021/05/14
: more
岸辺露伴は何かをしてあげたい
「おい」
「.....」
「おい」
「え?何?私?!」
「目の前に一人しかいないのに、他に誰に話しかけるんだ」
「せめて名前呼んでよね。私おいって名前じゃないんだから」
「次回から気が向いたらそうするよ」
「はいはい。..ところでなんですか?突然引き止めておいて。私、今日は由花子とこの後待ち合わせしてるんだけど..」
「随分と態度がでかいな」
「嫌味を言いにきたなら私もう行きますよ」
「......」
「では」
「まて」
「なんですか?」
「.......その、だな」
「?」
「.....何が欲しい」
「え?」
「た、誕生日!..なんだろ、今週末」
「なんで露伴先生が私の誕生日を...!」
「僕の大親友、康一くんがそう言っていたのを聞いてな」
「へー、仲良いですもんね」
「で、何が欲しいんだ」
「まさか、私になんでも買ってくれるんですか?!?」
「あぁ。無茶なことは言うなよ」
「じゃあ露伴先生がいいなぁ〜」
「なぁッ?!?!」
「冗談ですよ〜!」
「こ、この岸辺露伴を揶揄うとは」
「あはは〜だって露伴先生、素直で面白いんですもん〜」
「....ならお望み通り、この岸辺露伴が一日だけ付き合ってやるよ」
「えー、結構です〜」
「いーや、決定だ。今週の土曜日は空けておけ。予定があっても必ずだ」
「えー、だから本当に結構ですって〜だって露伴先生絶対なんか企んでそうだし〜。私にヘブンズドアやらないでくださいよ」
「企んでなんかない!僕を何だと思っているんだッ!」
「そんなことを言われたって...自分の行いを振り返ってみてくださいよ。漫画のネタになるようなことがあれば、死に物狂いで突っ走るじゃないですか。でも蜘蛛舐めるのは本気でやめた方がいいと思います、はい」
「全てがあってからこそ今がある」
「(ダメだこりゃ)」
「いいか、朝の10時に家の前まで迎えに行くから遅刻するなよ」
「えぇ..結局行くんですか?一方的だなあ..」
「絶対すっぽかしたりするなよ、念のために君の家に連絡でもしておこうか」
「それはやめて!!ちゃんと行きますから家には連絡しないで!!」
「ならちゃんと時間通りに家から出ろよ。約束だ」
「はい...(本当に何を企んでるんだろう。色んな意味で深い誕生日迎えれそう...)」
20210510
想いが届かない露伴