めもがき | ナノ
×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

2020/12/25

: more

「いらっしゃいませ..って、初流乃くん!お仕事は..」
「チャオ、今日はクリスマスなのでお休みをもらいました」
「へぇ..流石ボスですね。でもせっかくならここじゃないところへ出かけたら良かったのに」
「僕はここに来たかったんです」
「クリスマスに??」
「ええ」
「へぇ...(変わり者だなあ)」
「エスプレッソを頂けますか」
「はい...あ、少しお時間かかりそうなんで、お席までお持ちしますね!」
「いえ、ここでいいですよ」
「席ありますよね?」
「えぇ」
「何かありましたか?」
「いいえ」
「......」
「......」
「そんな見つめられると少し恥ずかしいんですけど...」
「それは良かったです」
「?!」
「少しでも意識して欲しかったので」
「...それは威圧的な意味ですか」
「そういう意味じゃあないですよ。ほら、あと少しで終わりますよね」
「終わるって、何が..」
「オーナーから18時迄だと聞いてます」
「えっと用事が..」
「事前にオーナーから予定を聞いてもらったんですが、ないと言っていましたよ」
「え、用事あるって言ったのにシフト入れられたのはまさか...」
「そんなことよりディナーを予約したのでそろそろ行きますよ」
「え、まって!わ、私何にも準備なんて!」
「大丈夫です。ドレスならあなたに似合うものを既に手配してありますから」
「お、お母さんとクリスマスパーティという用事が..」
「今は日本にいるはずですよね」
「飼ってる犬のご飯が..」
「そんな話は初耳です。犬は飼ってませんよね」
「(逃げられない..)」
「さぁ、18時になりましたよ。行きましょう。ディナーの予約の時間に遅れてしまいます。あなたの好きなティラミスもありますよ」
「わーい!行く行く〜!...あ、しまった...」

エスプレッソ何処へ