ようこそ、キセキシティへ
「…っ、あなたたち、誰?」
目の前には、髪の毛がカラフルな6人がいる。
さっき、シェイミが知ってるような口ぶりだったけど…
「名前、大丈夫でしゅ。この人達は僕を助けてくれたんでしゅ」
「え、ああ。そうなの?」
赤の髪の人は、にこりと笑う。
「ああ。シェイミをポケモンセンターまで連れて行ったんだ」
「……ありがとうございます。じゃあ、私行きますので」
ぺこりとお辞儀をしてさっさとその場を去ろうとした時、誰かに腕を掴まれた。
「あ、待ってくださいっス!」
「っ!」
黄色の頭の人に手を掴まれたと思ったら、私の両脇にいたラティアスとラティオスがその人に向かって攻撃を仕掛けた。
「っわあああっ!待ってくださいっス!」
私から慌てて離れる黄色い人。
私は、ラティアスとラティオスの頭を撫でると二人は、攻撃をやめた。
そして、甘えた声で擦り寄ってくる。
「…さすがは『キセキの少女』だね」
ポツリと赤の髪の人が言った。
「……では、私は先を急ぎますので行きます」
一歩を踏み出そうとしたとき、私の足元にピカチュウがいた。
「…ピカチュウ?」
頭を撫でるとピカチュウは、気持ちよさそうに目をつぶる。
「あ、俺のピカチュウ!」
黄色い人が叫ぶとピカチュウは、私の足元から彼のところへ行き、肩まで登る。
そして、彼に頬ずりをした。
「…そのピカチュウ、幸せだって言ってました。あなた、いいトレーナーさんですね」
「あ、笑った」
紫色の髪で背の高い人が呟いた。
その言葉に私は、一気に顔を赤らめる。
「ほんとっス!初めて笑った顔を見たっス!」
「っ!!」
恥ずかしすぎて下を向くとシェイミが大丈夫?と聞いてくる。
それに大丈夫と答える。
「…名前さん、でいいよね?」
「はい」
「君が良かったらこの街を案内してくれないか」
「え?」
赤の髪の人の提案に私は目を見開く。
「いい案なのだよ」
「そうですね。彼女ほどこの街に詳しい人はいなさそうですしね」
ちょ、勝手に話を進めないでよ。
「どうしよう、シェイミ…」
「僕は、いいと思うでしゅ!この人達いい人達だと思うでしゅ」
シェイミがこう言ってるからな…
「いいですよ、私が案内します」
私は隣にいるラティアスとラティオスにアレよろしくと言うと二人は嬉しそうに頷く。
「ようこそ、全てのポケモンが奇跡を起こす街、キセキシティへ」
ラティアスとラティオスが高く飛び、空中でくるりと一回転する。
「『キセキの少女』名字名前の名にかけて歓迎します」
すると、草むらや建物の隙間、いろんなところから野生のポケモンが出てきて歓迎し始めた。