半壊ランデブー | ナノ
漂い始めた危険

それは、深い森の奥での出来事。


「……捕まえたぜ」


そこには、氷漬けされたセレビィがいた。


「ごめんなあ、セレビィ。氷室がさ、捕まえて来いって言たからさ」


青年は、ベルトからポケモンボールを出す。


「戻れ、グレイシア」


グレイシアは、ボールに戻る。


「さて、行くかな」


‐‐‐‐‐‐


「っ!」


何か不穏な風が吹いた気がした。


「どうしたんでしゅ?」


「…ううん、なんでもない」


心配そうに覗き込むシェイミに、大丈夫だよと言う意味をこめてシェイミを撫でる。


「…名前」


「ん?」


「あ、の人…」


シェイミが指す方向を見るとそこには、赤髪の彼が。


「!!!!!」


「どうした?名前、」


私は、急いで一番背の高い紫原さんの背に隠れる。
ラティアスとラティオスなどに透明になるように伝える。


「みんな、隠れさせてっ!」


「「「「「「え?」」」」」」


コツン、と足音がした。


「おい、そこの奴ら」


来たっ!!!


「…なんでしょうか」


「ここらへんで、『キセキの少女』見なかったか?」


「!」


お願い、言わないで。


「…僕たちは、旅人で先ほど来たばかりで」


「あ、そうなの?だったらいいわ、見つけたら教えてくれ」


「…あなたは?」


「あ、俺?俺は、『NONE』の火神大我」


『NONE』。
ほんとに、やつらだ!!!


「じゃあなっ!」


明るく去っていく火神大我。
…、やつらが動き出したな。


「名前、動き出したでしゅ」


「そうだね、シェイミ」


ぎゅっと、シェイミを抱きしめた。

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