蜜柑ちゃんは、かわいい。
「あ、名前先輩や!」
ふと、後ろから蜜柑ちゃんの声がした。
振り向くと蜜柑ちゃんの友達もいた。
「ん?あ、蜜柑じゃねーか」
私の隣にいる和成が言った。
「佐倉さん…お久しぶりですね」
「だれっスか?初めて見る顔っスね!」
一緒に歩いていた涼太が誰だという目線で見ている。
「あ、乃木くんじゃないっスか!」
「…黄瀬先輩」
涼太と同じ金髪の男の子に気づき声をかける。
涼太、こんな美少年の子と知り合いなの!?
「名前さん、黄瀬くんのことを変な目で見すぎです」
「いや、だってテツ君…」
「ちょ、名前っち!!この子は、体質系の後輩なんスよ!」
なーんだ。
ただの後輩かー。
「あ、そうや!ウチ、名前先輩や和成先輩、テツヤ先輩に友達を紹介しよおもて来たんです」
「そうなの?」
「そうやで!あ、ウチ佐倉蜜柑言います。無効化のアリスです」
ペコリと初対面の涼太に挨拶をする蜜柑ちゃん。
かわいいわ。
「それで、こっちの美少女がウチの幼なじみの…」
「今井蛍です。発明のアリス持ってます」
蛍ちゃんか。
これまた、美少女で。
「あ、今井蛍って!真ちゃんが言ってた初等部の天才っ子じゃん!」
「!真太郎先輩を知ってるんですか」
「知ってるも何も俺ら友達だしな」
なー!とこちらに同意を求めてくる和成。
まあ、確かに友達だけどね。
「それで、その黄瀬の後輩の美少年くんは?」
「乃木流架です…動物フェロモンのアリスです」
「なるほど。黄瀬くんと同じ類のアリスでしたか」
テツ君の一言に乃木くんが顔を赤らめる。
「……かわいそうに。こんなやつと同じ類のアリス持ってしまって…しかも、黄瀬くんは、鳴海先生寄りですもんね」
テツ君と同じく私も和成も乃木くんに同情の目を向ける。
かわいそうに。
涼太とましてやあの鳴海先生と同じ類なんて。
「ちょ、みんな俺に対してひどいっス!!」
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