ふと、どこからか視線を感じた。
「名前?」
「…なんでもないよ、和成」
私は、気になる視線を無視して三人と一緒に特力へと歩きだした。
――――――
ある一つの教室。
窓から一人、外を見ている少年がいた。
「…ちーっす」
そこに扉を豪快に開けて青峰大輝と日向棗が入ってきた。
「…おい、紫原」
「なにー青ちん」
「赤司のやつ、ずっと窓見てんだけどどうしたんだよ」
「さー?たぶん、お気に入りの子でも発見して見てんじゃない?」
紫原は、さっきからお菓子ばかり食べている。
あたりには、ゴミばかりだ。
「日向ちん、久しぶり」
紫原が目の前にいる少年に頭を撫でようと手を上げる。
すると、パシンッと叩かれた。
「気安く触んな」
「ふーん。ま、別にいーけど」
紫原は、手が払われたのを気にしてないのかまた、食べ始めた。
「…赤司のお気に入りってあいつだろ?」
「そうだよー。名前ちんだよー」
青峰は、やっぱりと言うようにため息をついた。
「…まー、俺にはどうでもいいか」
青峰は、椅子にドカッと座る。
そして、赤司を見つめるのだった。
「…かわいいかわいい僕の名前。また、高尾と一緒なんだね。そして…安藤もいるし、ああ。あの少女は、『無効化のアリス』の…」
赤司は、オッドアイの目を細め口で弧を描く。
「僕のものになるまで、あと少し」
ふふふと笑う赤司の声が響いた。
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