想像モンスター | ナノ


騒動がある場所に着くと、日向くんが女の子を捕らえていて目の前が火の海だった。


「…おい、棗!」


「っ…!?大輝!?」


大輝が叫ぶと日向くんは反応した。
そして、炎が段々と消えていく。


「っ、何すんのや!お前!!」


急に日向くんに捕まっていた女の子が騒ぎ出す。


「はっ」


「いきなり、口を押さえつけて何すんのや!!」


うわ、女の子すごい。
あの日向くんに掴みかかるなんて。


「……騒がしーんだけど」


すると、木の上から聞き覚えのある声が聞こえた。


「あ、翼くん!!!」


「ん?あれ?名前に和成に大輝じゃん。しかも日向棗もいるし!どうした?」


「どうしたもこーもねーよ。美咲が怒るから迎えにきたんだよ!」


翼くんは木の上から降りてきてあちゃーと言う表情をした。


「もう、そんな時間かよ。寝てると早いな」


「……翼って相変わらずだなー」


けらけら笑う大輝。


「…大輝、なんだよ」


日向くんの低い声が聞こえた。


「集まりだよ。迎えに来た」


「……」


一瞬私と目が合いすぐに逸らした日向くん。
…なんだったんだ?


「…じゃ、行くわ俺!」


「おう、またな」


大輝は、後ろを向きながら軽く手を振った。


「………それで、」


和成が声を発した。


「…君は?まだ初等部だよね。迷子?」


「ウチ、佐倉蜜柑言います。無効化のアリスで特力系に行きたいんです」


「あ、『星なし』で日向棗のパートナーか!!」


「ちょ、翼くん!?」


失礼すぎるだろ!!


「俺は、特力の先輩の安藤翼だ」


「俺も同じく特力の先輩の高尾和成だよ」


「…私も同じく特力の名字名前」


すると蜜柑ちゃんは、輝いた目をして笑った。


「お願いします!翼先輩!和成先輩!名前先輩!」


ちょ、この子かわいすぎる!
抱きしめたくなる衝動に駆られる!


「おーい、名前ー。落ち着けよー」


そんな翼くんの声が聞こえた。