想像モンスター | ナノ


ガチャリ…


テツ君と特力のドアを開けるとそこには、特力メンバーはみんな歓迎パーティーのために準備中だった。


「あ、やっときたか!名前に黒子ー!」


「美咲!遅れてごめんね」


「遅れてすみません」


「いいから、早く手伝え!」


私たちは美咲に言われ、みんなを手伝うことにした。


「あ、和成!」


「お、名前遅いじゃねーか」


そこには、飾り付けを作っている幼馴染みの和成の姿があった。


「ごめーん。ってあれ?翼くんは?」


「翼?そういえば見てねーな。おーい、美咲ー!翼はー?」


和成が大きな声で美咲に聞く。


「それが、いねーんだよ!探してきてくんねー?」


「だってー」


そう言うと和成は私の手をとって立ち上がった。


「え?え?」


「探しに行くぞ!黒子!この飾り、後は頼んだ」


「分かりました。安藤くんを早く見つけてきてくださいね」


「りょーかい」


製作途中の飾りをテツ君に押し付け私たちは、翼くん探しに出かけた。


********


「…で?場所分かった?」


和成は、街灯に手をあてて目をつぶっている。
そして、目を開けた。


「…あー、あいつまた木の上で寝てるよ」


苦笑い気味に言う和成。
それにつられて私も苦笑いを浮かべた。


「それにしても、和成のアリスって便利ー」


「は?」


和成のアリスは、記憶操作のアリス。
あらゆる物質の記憶を操作できる。
さっきのように無機物のものからでも記憶が読み取れるのだ。


「お前のアリスのほうが便利だろー」


「えー」


すると、目の前に知っている青を見かけた。


「あ、大輝ー!」


「んあ?名前と高尾じゃねーか。どーしたんだよ。今は、能力別クラスの授業じゃねーのか?」


相変わらず黒いなー(肌が)。


「そうなんだけどさー。新入生の歓迎パーティーするからさ!あ、そういえば翼くん見なかった?」


「見てねーよ」


「だよねー」


和成は、ふと何かを感じたのか慌てふためいた。


「ちょ、なんかあっちのほうで棗くんが騒いでるって、地面が…」


「…日向くんが?」


「ちっ…悪い、高尾。案内してくれ」


「いいよ。ほら名前も行くよ」


「うん」


そこで、私たちは少女に出会うのだった。