「じゃあ、俺らも自己紹介しますかね!」
和成が先に始めた。
「俺は、高尾和成。記憶操作のアリスで特力だ。よろしくな、チビども!」
ニカッと笑って3人の頭を撫でる。
「僕は、黒子テツヤです。影操りのアリスです。影がよく薄いって言われます」
「ほんとに、こいつ影薄いから。いつの間にかいなくなってたりいたりするからビビリもんだよね」
テツ君は、いつもの無表情で淡々としゃべり、そのテツくんに肩に腕を回す和成。
ちょ、テツ君が迷惑そうな顔してるよ。
「俺は、乃木くんの先輩の黄瀬涼太っス。フェロモンとコピーのアリス持ってるっス」
ニコリと得意のモデルスマイルで決める涼太。
その笑顔をすかさずカメラに収める蛍ちゃん。
「真ちゃんの言ってたとおり金の亡者だね」
まさか、蛍ちゃんその写真売る気なのか!!
「それで、私は名字名前。アリスは想像のアリス」
「蛍聞いて!名前先輩のアリス、すごいんやで!!」
「蜜柑ちゃん、そんなに褒めないでよ」
「いやいや、名前のアリスすげーからな」
「和成まで…」
「すごいですよ、名前さん」
「俺のコピーのアリスでもコピー出来ないっスもん!」
えー、そこまで?
「じゃ、試しにアリスを実演してあげるよ」
「わーい!!」
喜ぶ蜜柑ちゃん。
そこに加わって和成と涼太も喜んでいた。
「んーと、何を出して欲しい?」
「「ホワロン!」」
「和成と涼太には聞いてないんだけど」
「いーじゃん!俺、今食いたいんだよ!」
だったら買いに行け!
「…蜜柑ちゃんたち、それでいい?」
「大丈夫やで!」
蜜柑ちゃんたちの了解を得たので私は頭の中にホワロンを思い浮かべた。
ポンっ
地面に二箱のホワロンが登場した。
「すっごーい!!いつ見ても名前先輩のアリスには驚きばかりや」
「ありがと」
私は、ホワロンの箱を持ち開ける。
その中に入ってるものをみんなにあげた。
「名前先輩が出したものって消えないんですか?」
「ん?あー、消えるよ。私が死ぬときに」
蛍ちゃんがホワロンを受け取りながら聞いてきた。
「え?」
「私が死ぬまでちゃんと残るよ」
和成の顔が曇るのを知らないふりをした。
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