「おはよー、名前ちゃん」
「ぶふっ」
校門で歩いていると(もちろん、兄たちもいます)後ろから巨乳で桃色の髪の美少女のさつきちゃんに抱きつかれた。
「桃井さんおはようございます。すみませんが、名前から離れてください」
「テツ君おはよー!!相変わらずの影の薄さね!」
さつきちゃんは、「嫌よ」と言ってもっと抱きついてきた。
さつきちゃん…
私の兄たちの顔が怖い。
征十郎くんなんて顔は笑ってるのに、目は笑ってないし…!!
「名前ちゃんもいつもいつも大変ね」
抱きついたまま話すさつきちゃん。
大変だと思うなら、まずは離れてくれ!!
このままだと家に帰ったらお仕置きが…!!
「名前、行きますよ」
テツヤは、私とさつきちゃんを無理矢理はがし私の手をつないでさっさと歩き出す。
「ちょ、テツヤ!?」
「…あーあ、名前ちゃん取られちゃった」
「桃井さん、だったっけ?」
そのころ私は残った人達がどんな会話をしてるかなんて分からなかった。
というか、分かりたくもなかった。
「そうですけど、征十郎先輩。なんですか?」
「いや、これ以上名前に近づかないでもらえるかな?名前に余計な"虫"がつくといけないからさ」
「…あなたたちは兄妹ですよね?シスコンにしては、行き過ぎじゃありませんか?」
桃井の言葉に征十郎は、より一層笑みを深める。
「当たり前だよ。僕らは生半可な気持ちで名前のことを思ってるわけではないからね」
「なっ…!!」
「僕らは、名前のことを妹や姉としてではなく女として見ているからね」
「近親相姦は、」
「関係ないよ、僕らには名前がいてくれればいいんだからね」
征十郎は、さも当たり前のように言った。
「(ほんと、大変だね名前)」
異常な愛に包まれた彼女が心配でたまらなかった。
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リナリア…私の恋を知ってください