我が家の男たちは、大変個性的である。
よく近所の人に「本当に血が繋がってるの?」とよく聞かれる。
ほんとに血が繋がってるんだよ、これまた悲しいことに。
全然似てないよね。
その中でも私と本当に血が繋がってるのか疑いたくなるのが五男の涼太だ。
敦の双子の兄で私の一つ下の中3。
整った顔立ちに長い手足を生かしてモデルをしている。
「ただいまっス〜名前っちー!!」
ぎゅむっ
「ぐえっ」
毎回毎回、帰ってくる度に抱きついてくるのやめてほしい。
そして、もっとやめてほしいのが…
「名前っち…」
ちゅっと実の姉弟なのに唇にキスをしてくるのだ。
「んっ、…んんっ、りょ、たぁ」
何度も何度も角度を変えてキスをしてくる涼太。
「ん、名前っちかわいい、」
キスの合間にしゃべる涼太にこいつキスとか慣れてそうだなと思う。
私、息苦しいんだけど。
「あーもー、名前っちなんでそんなにかわいいんスか!」
涼太は、唇を離しさらにぎゅーっと抱きついてきた。
いやいや、私よりモデルをしている涼太の方がかわいいから!!
「名前っち好きっス。大好きっス。愛してるっス。だから、…」
「涼太、私たちは血の繋がった姉弟だよ」
「…知ってるっスよ。だけど止まらないんスよっ…」
涼太は、ぐっと唇を噛み締めた。
「……涼太も彼女くらいいるでしょ?」
「いないっスよ。俺には名前っちだけっスもん。…まあ、欲のはけ口は、あるっスけど」
最後の方は私に対して申し訳なさそうに声を小さくした。
いやいや、涼太くん。
私、涼太の彼氏じゃないし。
「とにかく、俺は…俺達は、名前っちが大好きなんスよ」
ちゅっと頬にキスをして、ぎゅーっと私を後ろから抱きしめる涼太。
こんなに私に執着しなくていいのに。
そう思いながら私は涼太の頭を撫でた。
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クレオメ…あなたの容姿に酔う