沈黙ガーデン | ナノ
「ぎゃあああああああ!!」


本日、朝起きたら大変なことが起きてました。
女らしからぬ声ですみません。
でも、ほんとこればっかりはしょうがないんです。
何が起きたかというと…―――


「テ、テテテテテツヤ!?どどどど、どうしよう…!!」


「………髪が短くて声が低い名前もいいですね」


「胸のふくらみがない!なんか、下のほうにはブツがついてるよ!!」


「男の子になってしまいましたね」


そうなんです。
朝起きたら男の子になっていました。
髪は短くなり、声も低い。
背も高くなり、女性特有の胸のふくらみはなくなり、下半身には……男に絶対あるであろうブツがついてました。
気持ち悪い気持ち悪い。


「……僕の顔が目の前にあるみたいです」


ああ、そうか。
私とテツヤは、双子だからな。


「……みんなに相談しようか」


私たちは、もうみんないるであろうリビングへと向かった。


――――――


「あ、名前っちにテツ兄、おはよ……う?」


廊下で最初に会った涼太は、私を見ながらだんだんと目を見開いていく。


「ぎゃああああ!え、名前っち!?どうしたんスか!?あのかわいい名前っちは!?あ、いや、今ももちろんかわいいっスよ!?」


「涼太、落ち着いて―」


「こ・え・が・ひ・く・い!!!」


涼太は混乱しているらしく、私の肩を掴み肩を揺らしてくる。
そのとき、涼太の声にみんな反応したのか廊下に出てきた。


「涼太、うるさいのだよ。何事……だ……」


真太郎くんもみんなも私を見て目を見開いていく。


「もう、みんなのその反応も慣れてきたよ…」


「今日朝起きたら、名前が男になってました」


私の隣にいるテツヤが告げた。


「……名前が男?」


ぺたり


「あ、ほんとじゃねーか。おっぱいが無えー」


私の胸に触れた大輝は確認するように言った。


「……大輝兄さん、歯を食いしばってください」


「!?テ、テツ…!?お、落ち着け!俺が悪かった!!」


横で喧嘩(というかテツヤが黒いオーラを出しているだけだけど)が始まった。


「わー、名前ちんちょっとだけ大きくなった―」


「敦…」


頭に顎をのせてきた敦。
その隣には征十郎くんがいる。


「……名前、ほんとに男になった、のか…!?」


私を見るなり、この世の最後だと思うばかりの表情をする征十郎くん。


「あ、あんなに可愛かった名前が…!!いつもいつも僕の後ろをついてきた名前が…!!!!」


「せ、征十郎くん!?落ち着いて!!」


「声が低い!!!確かに男の名前もかわいいと思うが、けどけど…!!」


「征十郎くんんんん!?」


顔を覆い、泣き始める征十郎くん。
ちょ、どうしよう!!


「うわあああん!名前っちいいいい!!お、俺!男の名前っちでも愛せる自信あるっスよおおお!」


「何言ってるの涼太!!」


「僕もです!」


「そこでテツヤも入ってくるか!!」


「俺もだぜ!」


涼太に続きみんなが言ってきた。
おい、それでいいのか兄弟たちよ…


――――――


「―――っていう夢を見たんだ」


「名前、あのシスコン兄弟たちのせいで疲れているのよ」


さつきちゃんの言う通りでございます。


―――――――
カンガルーポー…驚き
thanks,みかんが美味しすぎてヤバい人A様