沈黙ガーデン | ナノ
今日は、待ちに待った遊園地の日だ。


「名前、支度は出来ましたか?」


「うん!」


ショートパンツにニーハイ。
上は、動きやすさを考えてTシャツだ。


ぎゅう


「名前、かわいすぎます。みんなのところに行かせたくありません」


腰に抱きついてくるテツヤ。
相変わらずだなあ。


「離して、テツヤ。私たち楽しみにしてたでしょ?」


「…そう、ですね。名前が喜ぶなら…」


私より少し高い頭を撫でながら言うと離れてくれた。
だけど、左手はテツヤと握らされてるけどね!
まあ、これもいつものことだからしょうがないか。


「名前っちー。準備できたっスかー?」


部屋に入ってきたのは、テンションの高い涼太。
涼太がテンション高いとうるさいんだよな。


「きゃー!名前っちかわいー!!俺のお人形さんにしたいっスー!」


「嫌だわ。って抱きつくなー」


抱きついてきた涼太にしっぽと耳が見えるのは気のせいだろうか。


「涼太。名前に抱きつかないで下さい」


「あ、テツ兄!だって名前っちがかわいすぎるんスもん」


頬ずりしてきた涼太にため息しか出てこないよ。


「もう、涼太離れて。ほら、みんなきっと待ってるから下に行くよ?」


「はいっス!」


涼太は、テツヤと繋いでいる反対の手を握ってきた。
…抱きつかれるよりはマシだよね。
私はそう思い込み、下へと向かった。


「…名前」


「あ、真太郎くん」


下におりたとき、後ろから真太郎くんが呼び止めた。


「…っ、か、かかかわいいのだ、よ」


……デレた。
真太郎くんがデレた。
耳まで赤い真太郎くん。
なんかきゅんときてしまったよ。


「……真太郎兄さん」


「真兄…」


私の両脇の二人は、怖い顔してたけどね!


「あ、やっときたか、名前」


「征十郎くん、遅くなってごめんね」


「いいよ。じゃあ行こうか」


優しく頭を撫でてくれた征十郎くんの言葉で私たちは遊園地へと向かった。


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ヘビイチゴ…可憐