名前っちを好きになったのはいつ?
なんて、聞かれてもそんなの答えられない。
だっていつの間にか一緒にいるのが楽しくて嬉しくて。
そして、小6で名前っちに対しての恋心に気づいた。
それで、そのまま名前っちを好きになって今は中3。
「涼太くぅーん」
はあ、うざい。
また、気持ち悪い声で呼ぶ女か。
「…なんスか?」
モデル用の笑顔で振り向くとキモ女は、顔を赤らめる。
あーあ、これが名前っちだったら、本気で笑うし抱きつくのに。
「ねーえ、私と付き合ってくれるぅー?」
キモいキモい。
鳥肌立ったんスけど!!
「すんません、俺、好きな人いるんで無理なんスよ」
「えーいーじゃん!だったら、セフレでもいいからー」
ほんとに何こいつ。
断ったんだから、どっかいけよ。
しかも、セフレって。
さすがの俺でも欲のはけ口は、必要っスからたまにセフレとヤるっスけど…
名前っちごめん。
俺、ちゃんと名前っちのこと思いながらヤってるっスからね!
「そーゆーのもいらないんで」
俺は、にこやかに笑いながら断りさっさと去ろうとする。
あー、はやく名前っちに会いたい。
会って抱きしめて、キスして甘やかして、俺だけのものにしたい。
「っ、わ、わたしっ、涼太くんの秘密知ってるんだからね!!」
俺は後ろでそう叫ぶ女に無表情で振り向いた。
「…へー、例えば?」
「っ、私のお姉ちゃんここの附属の高校に通ってて、そこに涼太くんのお姉さんが通ってるでしょ?」
「そースけど?それが?」
名前っちのことが会話に出てきて少し心臓がざわついた。
「涼太くん、そのお姉さんが好きでしょ?」
「…」
「モデルが近親相姦とかー…いいんだー…マスコミとかに知られると不味いよねー?」
…まさかの名前っちを使っての脅しかよ。
「バレたくないよね?だったらさ、分かってるでしょ?」
このキモ女は、本当に馬鹿らしい。
俺のことを何もわかっちゃいない。
名前っちとモデルのどっちを取るなんて、もう決まっている。
「…バラしたかったら勝手にバラせば?そんなことで俺を脅せると思ったら大間違いっスよ。近親相姦が何?それがなんか悪いっスか?」
「っ!わ、悪いに決まってるわよ!!血が繋がってるお姉さんを好きになるなんて、気持ち悪い!!」
「そうっスか、だったら近寄らないで欲しいっス。別に俺の気持ちをわかって欲しいなんて思ってないし」
キモ女は、俺に背を向け走って行った。
あー、ほんとに馬鹿らしい。
気持ち悪いと思ってんだったら、俺に告らなきゃよかったのに。
「なんか、無性に名前っちに会いたいっス」
誰かに言われて諦めるようだったら名前っちのこと今日まで好きでいない。
家族とか血が繋がってるとか関係なく、俺は名前っちを愛しているのだ。
それは、敦もテツ兄も大輝兄も真太郎兄も征十郎兄も同じだ。
一生、俺たちから離すわけない。
だから、覚悟しててね。
名前っち。
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マリーゴールド…濃厚な愛情