テーマ座談会

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Q6:香り



「ずっと訊きたかったんだ。アルはなんていう香水を使ってるの?」

「私の香水は特別に配合させているので、販売されていません」

「えー! そうだったんだ!」

「クリフォード家専属のパフューマーがいるのです。当主をはじめとした家族はもちろん、秘書などの身近な関係者……陽平の香水も、その者に作らせています」

「すごいな……。さすが世界的な大富豪は、やることがちゃうな。陽平の分まで作らすやて」

「香りの良し悪しで、周囲からの印象が変わる。制服みたいなものだよ」

「なるほどな」

「僕は香水を付けないから無臭かな?」

「いいえ。正太郎からはいつも、甘い香りがします」

「ほな俺も甘い匂いなんかな? 使てるシャンプーも洗濯も同じやし」

「そんなわけないでしょう。甘い香りは、正太郎の身体から滲み出ているのですから」

「さいですか」

「俺からすれば、琳の方が甘い香りだよ。こういうのは『好きな人だから』っていうのが大きな理由だね」

「わかる気がする。牧野さんもいい匂いだけど、僕はアルの匂いの方が好き」


 了



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