テーマ座談会

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Q16:嘘の内容と上手下手



「正太郎は嘘など吐きません!」

「おわっ、なんやいきなり! ビックリするやないか!」

「おかえり、アル」

「はい、ただいま戻りました。また熱中しすぎてしまったようです……。寂しくはありませんでしたか?」

「姿が見える距離にいたから大丈夫だよ」

「あぁ、なんていじらしい……。すみません。もう離れませんからね?」

「うん……」

「敢えて正太郎の嘘の内容を挙げると、今のような“健気な嘘”ですね。上手くはありませんが、それでいいのです」

(嘘って……今のはアルの思い込みやん)

(面倒だから“そういうこと”にしておこう)

「そうやな。ていうか、アルも嘘吐かんよな。正直すぎるぐらいや」

「琳もわりと、正直かな」

「せやろせやろ」

「いつも、ちゃんとおねだりできてるしね」

「!?」

「先週だって、可愛く」

「あー! そんなん正直に言わんでええッ! それより陽平や! 陽平は嘘が上手そうや」

「うん、確かに上手い! でもいい嘘だよね」

「そうですね。陽平は機転が利きますから」

「俺にはたまにいらん嘘っていうか、冗談言うけどな」

「それは愛情表現でしょう」

「うん、琳のいろんな表情を見たくてね」

「その気持ちわかる!」

「正太郎にわかってもらえて嬉しいよ」

「なんや、上手いこと言い包められてるような……」


 了



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