正「琳はバイト探しだっけ？」

琳「せやな。通いやすくて土曜日に休めるとこ探してるんや。なかなかないっていうんが悩みや」

正「土曜日は牧野さんに会う日だから、絶対休まないとだもんね」

陽「……琳、そんな苦労をしていたわけ？」

琳「苦労っていうか、求人サイトやら眺めるだけやで？」

陽「うちの系列会社で良ければ、俺が斡旋してあげるよ。仕事内容は雑務になっちゃうけど」

琳「ほんまか！？　雑用でもなんでもするで！」

陽「じゃあ明後日にでも言っておくから、履歴書を準備しておいて」

正「やったね、琳！」

琳「うん、言うてみてよかったわ！　……ていうか、正太郎や。アルはまだチャームポイントの列挙に勤しんでるから、今のうちやで！」

陽「そうだね。もしアルに関することなら、今だよ」

正「ええと……やっぱり、すぐ嫉妬されることかな。体育の着替えの時が、特に恥ずかしくて……」

琳「あー、その流れでプールの時期が憂鬱やって言うてたな。別の場所で着替えるしかあらへんで、もう」

陽「今、自由に使えるのは理事長室。でもプールの後は、移動が大変だね」

正「アルってば、僕のために着たままプールに入れるパーカーと、二人用の更衣室を作らせるって言ってるんだ……」

琳「更衣室！　あと一年やのにか？」

正「うん。パーカーはまた来年も使えるからいいけど、更衣室はいらないよね」

陽「パーカーの方は俺に任されているからいいとして、更衣室の件は知らなかった。勝手に手配しかねないから、ちょっと対策を考えてみるよ」

正「お願いします！」

琳「ほんまにめんどくさい外人やで。短い休憩時間でみんな着替えてるんやから、人の着替えなんか見てる暇ないっちゅーねん」

陽「ちょっとでも見せたくないんだろうね」

正「牧野さんの悩みは？」

陽「俺はないよ。悩む前に自分でどうにかするからね」

琳「なにそれ、かっこええな！」


　了