番外編 クリ★プレ

しおりを挿む


 二時間ほど掛かって、クリスマスケーキが漸く完成した。

 これで、やっとイチゴが食べられる……!

 と思ったら、長谷川が意味不明なことを言いだした。


「ねぇ裕斗っ。今から、僕たちとクリームプレイしない?」


 ──クリームプレイ。

 初めて聞く言葉に、俺は内心で首を傾げた。

 クリームと聞いて一番に浮かんだのは、さっきまでケーキ作りで大活躍していた生クリーム。

 買ってきた二パックを全部泡立てたから、結構たくさん余っている。

 クリームはそれでほぼ間違いなしだろう。

 でも……それで一体、なにをするんだ?

 皆目見当がつかなくて、俺は助けを求めるように藤枝を見遣った。

 けれど、藤枝はクローゼットで何やら探し物をしているらしく、顔を見ることすら叶わない。

 というわけでしかたなく一人で思い悩んでいると、長谷川がクスクスと笑いだした。


「可愛い裕斗っ。クリームプレイがわかんないんだね?」

「むぅ」


 ……すごく悔しい。

 とは言え、俺が“クリームプレイ”を知らないのは事実だ。

 それに、これ以上考えてもわかりそうにない。

 意地を張ったぶん、時間が無駄に過ぎていくだけなんだよな。

 あぁもう、しかたないか……。

 俺は、潔く負けを認めることにした。




- 1/14 -

[≪prev | next≫]



 ←Series Top





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -