番外編 クリ★プレ

しおりを挿む


 それを聞いた藤枝は、俺とのキスを中断させて小さく唸った。


「……ん。ったく、しょうがねぇな。次はオレが先に舐めるからな」

「うん、ありがとっ。次の次も、葵が先に舐めていいから! 今日先に挿れていいし!」


 二人が挿れる順番より舐める順番に拘るのは、いわゆる“濃さ”が変わるから……らしい。

 こいつら、未だに口移しで分け合うぐらい、一回目のを飲みたがるんだ。

 あんな苦いものを『美味しい』なんて、本当に意味がわからない。

 ちなみに俺は、たまに二人のを舐めさせてもらうことはあっても、口に出されたことはまだない。

 俺の中で出したいからって、抜かれてしまうから。

 二人が好きだからいつか飲んでみたいとは思うけれど、絶対『美味しい』なんて思えないだろうな。


「裕斗、生クリーム食うか?」


 生クリームの絞り袋を手にした藤枝が、俺の頭を撫でながら優しく話し掛けてきた。

 俺は、股間に生クリームが盛られていくのを感じながら頷く。


「うん……キスもして……」

「心配しなくても、最初からそのつもりだ」


 俺の返答に小さく笑みを漏らした藤枝が、自分の口の中に生クリームを含んで、再び口付けてきた。

 甘くて滑らか生クリームと一緒に、熱い舌が入ってくる。

 お互いの熱ですぐに蕩けたそれを飲み込むと、藤枝の舌がくちゅくちゅと音を立てながら俺に激しく絡まりだした。




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