番外編 クリ★プレ

しおりを挿む


 俺はただ、クリームプレイがわかんなかったって話をしただけなのに……。

 藤枝は一頻り俺を抱き締めた後、片腕を俺の膝裏までずらして抱き上げると、胡座をかいた自分の膝に乗せてしまった。

 俺の尻をいい位置に落ち着かせて、やけに熱っぽい目でまっすぐ見下ろしてくる。

 あ……これはキス攻めのパターンだ。


「……キスしてもいいか?」


 やっぱり。

 これ、一応訊いてくるけど、返事をさせてもらえないんだよな。


「ふぁ、っんん」


 案の定藤枝は、俺が返事をしようと口を開いた瞬間に素早く塞いできた。

 とは言え、いきなりがっついてくるようなことはなく、最初は啄むようなキスから。

 ちゅ、ちゅ、と何度も唇を吸われたり舐められたり、時には甘噛みされたり。

 藤枝は俺の唇の感触が好きらしくて、必ず最初にそれをたっぷり確かめないと気が済まないらしい。

 でも、これが意外に気持ちよくて、頭がすぐにぼんやりしてくるんだ……。


「ん、……んむ、ぅ」


 俺は例によって思考が鈍っていくのを感じながら、藤枝にしがみついて必死でキスに応えた。

 藤枝の動きに合わせてぎこちなく唇を動かすと、たまに意図せず舌同士が触れ合って気持ちいい。

 ピリピリとした快感が生まれて、直接腰……というか、下半身に響く。

 そのせいで、まだ触れられてもいないのに、俺の中心がどんどん硬く張り詰めていく。

 毎度のことながら、すごく恥ずかしい。

 俺は股間の熱をごまかしたくて、こっそり両の膝を擦り合わせた。

 するとその時、微かな金属音と共に長谷川の声が上がった。




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