番外編 クリ★プレ ■しおりを挿む
「ん……教えて……」
「いいよっ。僕と葵が、今から実践で教えてあげるからね?」
「……うん」
すごく嬉しそうだ。
長谷川の眩しすぎる笑顔に一抹の不安を感じつつも、従うしかない俺は素直に頷く。
するとその時、クローゼットを漁っていた藤枝が嬉しそうな顔で戻ってきた。
手には、バスタオルのようなものを持っている。
かなり大判に見えるんだけれど、なにに使うんだろうか。
「悠貴! やっぱここにあったぞ」
「あ、ほんとだ!」
「ほら」
藤枝は誇らしげにそれを長谷川に手渡すと、いきなり俺の顎を掬い上げて唇を吸ってきた。
「んむっ」
完全な不意打ちに、情けない声が漏れてしまう。
ちゅうっと音を立ててから離れていくイケメンは、赤くなった俺の顔に満足げな笑みを浮かべて腰を下ろした。
俺は、そんな藤枝を軽く睨み付ける。
「もう!」
「ははっ可愛いな。つか……クリームプレイの話は聞いたか?」
「あ、うん。考えてもわかんなかったから教えてって言ったら、今から実際にやろうってことになったんだ」
生クリームまでは予想したけれど、それをどう使うかがわかんなかったんだよな。
いそいそとバスタオルを広げている長谷川を見ながら、悔しかったことも含めて報告する。
すると、何故か赤面した藤枝に、いきなり抱きすくめられてしまった。
「!」
「裕斗……! お前、可愛すぎるだろ」
「はあ?」
意味がわからない。
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