週刊『彰と朝陽』

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ぷんすか─朝陽



 最近全然寝られねー。

 もちろん暑いからだ。

 夏だからしかたねーんだけど。

 でも、原因の半分以上は彰だ。

 彰の奴、オレをぎゅうぎゅう抱き締めて寝やがるんだ!

 だからたった今、オレは彰と別々に寝ることを決めた。

 別にアイスを食えねー腹いせってわけじゃねーからな!

 そ、それより!セックスしたらそのままくっついて寝たくなるから、セックスも泣く泣くお預けにした。

 彰にくっつかれるとセックスしたくなるから、それも禁止した。

 そしたら彰が甘ったれたことを言いやがったから、さすがのオレでもキレた。


「バカ野郎!それじゃオレが寝てらんねーんだよ!」


 さっき彰に渡した枕を掴んで、ボスッとアホ面を殴る。


「ひでぇよ朝陽さん…」

「お前、オレがどれだけ寝苦しい夜をすごしてるか、わかってねーだろ!」

「え?」

「彰みてーな筋肉布団に包まれて、夏に安眠できるわけがねー!」

「あ…」

「わかるか!? わかんねーだろ!お前も一回ガチムチ兄貴に抱き締められて一晩過ごしてみやがれッ!」

「そんな…やだ!朝陽さんがいい!」

「オレじゃ彰を包み込めねーだろ!」

「うぅっ…」


 彰が情けねー顔してても無視だ!

 いい加減寝不足でイライラしてるんだ。

 オレは怒ってるんだ!


「朝陽さん…」

「なんだ」

「ごめんなさい」

「お、おい泣くなよ」

「だって、朝陽さんが辛いのに気付けないなんて、彼氏失格だ」

「今わかったんならいい」

「うん…大好き朝陽さん」

「ん」

「一緒に寝たくない期間はどれくらい?」

「…べ、別に」

「なに?」

「別に彰と寝たくねーわけじゃ…」


 ただ、寝不足になるから困るだけだ。

 彰がそれをわかって、オレを抱き枕にしねーなら別に…。


「ホントは俺と寝たい?」

「そ、そこまで言ってねーよ」

「朝陽さんかわいー」

「うっ、うるせー!」

「抱き締めていい?」

「だ、ダメだ!」

「どうして?」

「したくな…っ!」

「え?」

「な、なんでもねーよ!」


 Tシャツから手を放せ!

 今日はもう寝るんだからなっ!



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