週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
どこの変態だ?─彰
大翔が朝陽さんに本気っぽくてうぜー。
とりあえず殴りたいんだけど。
あの憎たらしいホスト顔を。
朝陽さんが大翔を嫌ってるから、まだ救われてるけど…。
あ、朝陽さんの口元にプリン付いてる。
ガキみたいでかわいー。
それを取ってやったら、朝陽さんがこっち見た。
「美味そうに食うね、朝陽さん」
「美味いもん」
「俺もプリン買えばよかった」
「ん、口開けろよ」
「…やべー、朝陽さんのスプーンから食うプリンは美味すぎるな」
「変態だなお前」
「変態でもいーよ、朝陽さん限定だし」
「魔王は誰にでも変態っぽいな。ピアスの穴開ける時に変態な質問してきたし」
「なにそれ。初耳なんだけど」
「名前と歳と身長体重と、最近いつセックスしたかって訊かれた」
「マジかよ!AVみたいじゃん。本格的に変態だな」
「だろ。彰の兄貴だから我慢してたけど、鳥肌モンだった」
「で、答えてないよね?」
「………………」
答えたんだね、朝陽さん。
とにかく思ったより大翔がヤバい。
今度会ったら、鳩尾に一発…いや、三発入れとくか。
「プリン、あと一口くれたら許すよ」
「ん、口移しで食うか? …なんてな!嘘」
「食う」
「だけど。………マジで?」
「食うよ朝陽さん。口移し」
「わ、わかったよ…やってやるよ」
朝陽さんはこう見えて真面目だから。
たまには利用させてもらうよ。
ごめんね、変態で。
でもマジで好きだったら、ある程度は変態にもなるって!
誰でもなるってマジで。
俺、元々ドライな奴だし!
「ん…む、ん、んぅ」
朝陽さんの口移しでやってきたプリンを、口移しで朝陽さんに返して、そのままキスに持ち込んだ。
「あ、彰…」
「朝陽さんの口の中で溶けたプリン、すげー美味かったよ」
「どこの変態だよ、お前は」
「だから、朝陽さんの世界にしか存在しねーってば」
「ん、…セックスしよ、彰」
「プリンでキスしたから?」
「か、関係ねーよ、ただしたくなっただけだし…」
「そっか。好きだよ朝陽さん」
抱き付いてきた朝陽さんを抱き上げて、ベッドに向かった。
もっと暑くなったら、アイスでキスすんのもいいな。
-END-
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