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大型犬とオレ(side 朝陽)

□小型犬との戯れ


 慌ただしく衣服を脱がされる。もう待ちきれないとばかりにオレにがっつくこいつに対して恋愛感情はない。

 けれど、一瞬であっても心が満たされる。オレを欲するこいつの心はオレのものだから。


「は…っ、まだはえーよ。いくらオレでも痛いのは好きじゃねー」

「ご、ごめん!朝陽、好き、好きだから…」


 もたつきながらローションを取り出して塗り込んでくる。

 いきなり垂らしたら冷たいから、一旦てめぇの掌で馴染ませろって怒ったこと覚えてやがんのな。

 かわいーじゃんこいつ。


「ん、そこ…そこ、いい」

「ここ? 朝陽、気持ちいい?」

「ふぁっ、ぃ、イキそーんなる…上手く、なったじゃん」

「へへっ、イクなら飲ませて…」

「あぁ…も、ヤバい。イク……ぜ、んぶ、飲んで…ッ」


 ほぼ後ろの刺激だけでイッたオレのものを、こいつは旨そうに全部飲んだ。

 いい加減ほぐれたそこに、顔の割にサイズのでかいものが押し当てられる。

 一気に入ってきたソレは、オレが少し力を入れてやったらビクビクと痙攣する。


「あ…朝陽、気持ちいいよ…好き、好きだ」

「っく、…あっ、あっ、はげし…」

 こいつの激情をまんま表したような激しい動きで、またすぐに追い詰められる。

 そうして、こいつと同時にオレは本日二回目の吐精を果たした。


「朝陽ぃ…帰んの」

「あぁ、タツヤが帰って来るかもしんねーし。また明日、アイツが迎えにくるし」

「タツヤとはいい加減別れて、僕と付き合ってよ。朝陽のこと、こんなに好きなのに…」

「バカ、オレがお前を好きじゃないんだよ」

「酷いな…」

「ごめん、好きっちゃ好きだけど惚れらんね。じゃっ、帰るわ」

「うん…あっ、あいつ、須磨のことは好きになんないよね」

「オレ、愛されなきゃ意識できねーから。
 それに万一愛されても、アイツ大型犬にしか見えねーから無理」

 小型犬みたいな奴に笑って言ってやると、明らかにホッとした顔になった。

 お前は小型犬にしか見えねーから無理だっていうセリフを飲み込んで、振り返らずに手ぇ振って帰った。



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