週刊『彰と朝陽』

しおりを挿む
クリームついてるよ─彰




 実は、イチゴは最初から朝陽さんにあげるつもりで残してた。

 あんな可愛い笑顔見せられたら、俺が餓死寸前でもあげるよね。

 いや、死なねーけど。

 てかズルしてごめんね。

 反省はしたけど、やっぱ朝陽さんの今朝の反応は不意打ちでヤバかったんだよね。

 俺、若いからそういうの引きずるんだよね。

 朝陽さんにキスしながら、弛められる場所を片っ端から弛めていく。

 で、いい感じに蕩けてきたところで唇を離す。


「ん、はぁ…」

「朝陽さんの唇は甘いね」


 ぐったりした朝陽さんは、もう抵抗できなくなってるみたいだ。


「朝陽さん、はい、ばんざーい」

「ん」


 ちっちゃい子みたいに万歳してくれた朝陽さんのTシャツを脱がせる。


「朝陽さん、またケーキ買ってくるから」

「うん」

「先に謝っとく。ごめんね」

「…?」


 意味がわかってない朝陽さんの身体に、朝陽さんが食べてたケーキを塗り付ける。


「朝陽さんのイチゴにクリームついてるよ」

「オレの…イチ、ゴ…?」

「うん、すごく美味しそう…食べていい?」

「っな、なん…」

「ん?」

「なんてことすんだ、バカ野郎ッ!」


 バチーン!!

 本日三回目だよ、朝陽さん。

 今日ダチに、俺が恋人にご機嫌伺いとからしくねーなって笑われたんだぜ。

 また、ご機嫌伺わないとな…。


◆ ◆ ◆




「食べ物は大切にしなさいって習わなかったか!」

「…習いました」

「これは、オレのケーキなの!」

「はい…」


 裸の朝陽さんの胸元…。

 もちろん美味しくいただくつもりだったので、俺は乳首を中心にケーキを塗り付けた。

 それを指差してお説教する朝陽さんはとても魅力的だ。


「うぅ…オレのケーキ…」


 あぁ朝陽さん!それはダメでしょ。

 俺が塗りたくったケーキを、朝陽さんが自分で掬って舐めだした。


「あ、朝陽さん」

「なんだよっ!」

「すげーエロいよそれ」

「性欲大魔人かお前は!」

「ごめんなさい…」

「…オレだって、オレだってセックスしたかったんだぞ」

「え」

「ここ飯食うとこだけど、でも…」

「ホントに…?」


 朝陽さんが素直に頷いた!


「俺のケーキあげるからっ」

「もー今日はダメだ」

「そんなあ…」

「あ、明日、またケーキ買ってこいよ」

「うん」

「三つ、買ってこい。今日のやり直し…させてやるよ」

「三つ…?」

「ぜ、全部残さずお前が食うなら…ぬ、塗らせてやらなくもねーよ」

「…っ!喜んで!」


 朝陽さんはその日、やっぱり触らせてくれなかった。

 寝る前に、ホールで買ってきていいか訊いたら、また怒られた。


 -END-





- 12/320 -

[≪prev | next≫]



 ←Series Top





「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -