週刊『彰と朝陽』

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ど、どこ触ってんの!?─彰



 目覚ましを止めて視線を落とすと、朝陽さんと目が合った。


「おは」

「おはよ、朝陽さん」

「眠そーだな」

「うん…、昨日激しかったし」

「情けねーな」

「朝陽さんに精力取られた」

「よし、今夜はニンニク食うか」

「ニンニク食った俺でもキスしてくれる?」

「ったりまえだろ」

「やべー、朝陽さん超好き」


 堪らず朝陽さんに頬ずりした。


「てめ、ヒゲがうぜー!」

「しょうがないじゃん」

「生えすぎなんだよ」

「朝陽さんが生えなさすぎなの」

「ん、そうかもな…」

「やっぱ気になる?」


 俺は朝陽さんのスベスベした肌、好きなんだけど。


「男としては、やっぱ気になんだろ」

「朝陽さんはそのままでいい」

「あっ、ちょ、ど、どこ触ってんだ!」


 朝からイチャつくなんて、同棲カップルには恒例行事だよね?


「んー、朝陽さんかわいー」

「もう!やめろよっ」

「くすぐったい?」

「うんっ、だから、やめっ」


 朝陽さんが笑い転げるのが楽しくてたまんねー。

 脇を重点的に攻めると、全身を使って暴れだした。

 目に涙なんて溜めちゃって。

 あー、あとで腹筋が壊れたって怒られっかも。


「ふはははっ、もうー!腹いてぇって!」

「腹筋が鍛えられていいじゃん」

「ま、マジでつれーってっ」


 すげー平和だよな。

 笑う朝陽さん、楽しい俺。

 この笑顔がまた可愛いんだって。


「ひぁあっ!」

「え?」

「あっ、彰、マジやめてぇっ」


 なに、急に色っぽくなったんだけど。

 ズンッて下半身にキタんだけど。


「どうしたの、朝陽さん?」

「や、やだぁっ、」


 あ…ここ、脇腹近い。

 やべ、欲情する。


「ね、朝陽さん…キスしていー?」

「あ、ぁん、んんっ」


 返事待ってらんねーよ、こんな朝陽さん見たら。

 朝陽さんの逃げ回る舌を追い掛けながら、くすぐる手を撫で回す動作にシフトする。

 さすがに興奮しながら延々とキスすんのは、息がしんどいな。


「はぁ…朝陽さん…」

「ってめー!目ぇ覚ましやがれっ!」


 バチーン!

 すげー音鳴ったよ今。

 見事なビンタ。

 赤い手形付いてそうなやつ。

 …ええ、目が覚めました。

 なんとなく正座しちゃう俺。

 朝陽さんは涙目で真っ赤になって、はぁはぁと荒い呼吸を整えながら、俺を睨んだ。

 その顔、怖いどころかすげー可愛いよ朝陽さん。



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