週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
ど、どこ触ってんの!?─彰
目覚ましを止めて視線を落とすと、朝陽さんと目が合った。
「おは」
「おはよ、朝陽さん」
「眠そーだな」
「うん…、昨日激しかったし」
「情けねーな」
「朝陽さんに精力取られた」
「よし、今夜はニンニク食うか」
「ニンニク食った俺でもキスしてくれる?」
「ったりまえだろ」
「やべー、朝陽さん超好き」
堪らず朝陽さんに頬ずりした。
「てめ、ヒゲがうぜー!」
「しょうがないじゃん」
「生えすぎなんだよ」
「朝陽さんが生えなさすぎなの」
「ん、そうかもな…」
「やっぱ気になる?」
俺は朝陽さんのスベスベした肌、好きなんだけど。
「男としては、やっぱ気になんだろ」
「朝陽さんはそのままでいい」
「あっ、ちょ、ど、どこ触ってんだ!」
朝からイチャつくなんて、同棲カップルには恒例行事だよね?
「んー、朝陽さんかわいー」
「もう!やめろよっ」
「くすぐったい?」
「うんっ、だから、やめっ」
朝陽さんが笑い転げるのが楽しくてたまんねー。
脇を重点的に攻めると、全身を使って暴れだした。
目に涙なんて溜めちゃって。
あー、あとで腹筋が壊れたって怒られっかも。
「ふはははっ、もうー!腹いてぇって!」
「腹筋が鍛えられていいじゃん」
「ま、マジでつれーってっ」
すげー平和だよな。
笑う朝陽さん、楽しい俺。
この笑顔がまた可愛いんだって。
「ひぁあっ!」
「え?」
「あっ、彰、マジやめてぇっ」
なに、急に色っぽくなったんだけど。
ズンッて下半身にキタんだけど。
「どうしたの、朝陽さん?」
「や、やだぁっ、」
あ…ここ、脇腹近い。
やべ、欲情する。
「ね、朝陽さん…キスしていー?」
「あ、ぁん、んんっ」
返事待ってらんねーよ、こんな朝陽さん見たら。
朝陽さんの逃げ回る舌を追い掛けながら、くすぐる手を撫で回す動作にシフトする。
さすがに興奮しながら延々とキスすんのは、息がしんどいな。
「はぁ…朝陽さん…」
「ってめー!目ぇ覚ましやがれっ!」
バチーン!
すげー音鳴ったよ今。
見事なビンタ。
赤い手形付いてそうなやつ。
…ええ、目が覚めました。
なんとなく正座しちゃう俺。
朝陽さんは涙目で真っ赤になって、はぁはぁと荒い呼吸を整えながら、俺を睨んだ。
その顔、怖いどころかすげー可愛いよ朝陽さん。
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