週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
A clear Sunday(快晴の日曜日)─彰
「うわ、まぶしっ」
「彰って茶色いな」
「何が?」
「黒目。茶色いから光に弱いんじゃね」
「そーなの?」
「いや、わかんね」
「なんだそれ」
朝陽さんは太陽を浴びて、生き生きツヤツヤしている。
太陽浴びてるからだよな?
朝から一人で致したからなんて思いたくねぇ。
とりあえず地下鉄乗って予約した店がある方角に向かった。
「朝陽さんは金属アレルギーない?」
「ん、わかんね。安物は痒い」
「アレルギーじゃん」
「そーなの!?」
「朝陽さんて繊細だよね。酒もダメだし金属も」
「でも花粉症じゃねぇよ?」
「なにそれ、超羨ましいんだけど」
「だろ。敬えよ」
「いや、意味わかんないから」
喋ってたらいい感じのショップ発見。
突入した。
店員にアレルギーの説明したら、シルバーとプラチナ奨められた。
「これかっけー」
「ん、気に入ったのあった?」
「うん、これがいい」
「そちらはチタンですので、金属アレルギーの方にもおすすめですよ」
「オレ、これがいーな」
上目遣いとか…!
反則だろ、朝陽さん。
今日は下見のつもりだったんだけど。
「彰?」
「…これ、ください」
やべぇ、おねだり朝陽さん最強だわ。
なんだかジルコニアがどうとか言ってたけど、聞き流した。
ちくしょー臨時出費だ。
雲一つない快晴の空が眩しい。
朝陽さんの満面の笑みはもっと眩しい。
「朝陽さん、病院で穴開けよーね」
下手に素人がやるよかたぶん安全だしさ。
「ん、わかった」
あー可愛い。
買ってよかった。
「彰、ピアスありがとな。今日の夜ご飯はオレが奢ってやる」
「あ、朝陽さん。今日は無理」
どこに自分が予約した店で恋人に奢らせる男がいるよ。
「…なんで?」
「あー…あのさ」
中途半端にサプライズ企画失敗。
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