週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
買い物でも行きますか─朝陽
外の明るさに反応して目が覚めた。
時計は…ぴったり八時。
オレの隣には彰の寝顔。
身体はダルくて動かしにくい。
「アホ面彰」
鼻をつまんでやったら、閉じてた口が薄く開いた。
ナマイキだな、こいつ。
「…ん」
彰の唇の隙間に舌を挿し込む。
反応のない舌を舐めて絡め取って、吸い上げる。
ちゅくちゅくと音を立てると、エロい気分になってきた。
「ふっ…ん、ん」
オレは彰にキスしたままでオナニーを始めた。
すげー興奮する。
あぁ、挿れんのは我慢しなきゃなんねーな。
これからデートだもんな。
オレは息苦しくなって彰の唇から離れると、彰の首筋に顔を埋めた。
「はっ、は…ぁ、あき…ら」
彰の匂いが濃い。
まだ香水が混じっていない、彰そのものの匂い。
いつから匂いフェチになったよ、オレ。
「あぁっん、も、でるっ…」
…はぁ…ティッシュ。
手のひらに出したやつを拭ってゴミ箱へサヨナラ。
一仕事終えて、やれやれと彰の胸へ頭を預けたら、やっと彰が起きた。
「うーん…朝陽、さん?」
「おは」
「おはよ…なんかエロい匂いがする」
「ん、今オナってたし」
「えっ…」
「彰にキスしてたら興奮した」
「ええっ!?」
「気持ちよかったぁ…」
「なんで起こしてくんないわけ?」
「彰寝てたし」
「いや、だから」
「うるせー、なんか作れよ腹減った」
「はい…。てか俺も勃ってるし…」
「そういや、キスに反応してたな」
「あぁ、ひでぇな朝陽さんは」
オレは情けない顔でキッチンに向かう彰を見送ってから、顔洗って歯磨きしてダイニング行った。
できてる!ハムエッグオンザトースト。
「朝陽さん、おいし?」
「うん、美味ぇよ。いい嫁になれるな」
「嫁は朝陽さんなのに」
「細かいことは気にすんなよ。男の子だろ」
「朝陽さんに男らしさわけてもらお」
「おう、弟子にしてやるよ」
「てか朝陽さん、買い物に行こう」
「いーよ。なんか欲しいのか」
「んーピアスの下見?」
「いいなそれ」
よし、食い終わった。
美味しゅうございました。
今朝はスッキリ気分だから、特別に皿洗いしてやった。
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