週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
日曜、二名予約済み─彰
明日のデートなんて、最初からそのつもりだった。
実は明日の夜、予約してんだよね。
朝陽さんがテレビ見てて行ってみたいって言ってた、完全予約制個室店。
ええ、ダチのコネをフル活用ですよ?
かわいー朝陽さんのために。
たださ、男心としては欲しいじゃん?
好きな人からのお誘いってやつ。
明日デートしよっ(はぁと)までは行かなくてもさ。
朝陽さんはツンデレだからなー…。
だから、デートしたいって一言を引き出したくて。
…いじめすぎてしまった。
拗ねた朝陽さんに俺からデートのお申し込みで事なきを得た。
「じゃあ…どこかに連れてけ」
「喜んで!」
これだけでもよし…か。
「何時から、行くんだよ」
「デート?」
「ん」
「朝からいこーよ」
「どこに行くんだ」
…考えてなかった。
「明日のお楽しみ」
「…考えてなかったんだろ」
「そ、そんなことないし!」
「今日はセックスなしな」
「えぇっ!? お預け反対」
「バカ、明日ダルくなったら困んだろ」
「そりゃそうだけど」
「フェラならしてやる」
ガバッと、朝陽さんが俺のスウェットを捲ってきた。
「あっ、ちょ、朝陽さんっ」
「うるひゃぃ」
「っ、はぁ…」
結局、欲しがるくせに。
「あき、あきら…、」
「なーに、朝陽さん」
「欲しー…」
ほーら、やっぱり欲しくなっちゃった。
「ん、朝陽さん…もートロトロじゃん」
「っ、るせー…」
「黙って」
「んっ、んっうぅ、ん」
ここ壁薄いっつったじゃん。
朝陽さんの柔らかな唇を塞ぐ。
まさか自分の味に慣れるなんて、思わなかった。
◆ ◆ ◆
朝陽さんは俺の腕枕で爆睡中。
俺はこっそり明日の予約の確認。
うん、確かに明日の日曜、二名…夜七時半から予約。
びっくりするかな、朝陽さん。
恋人にサプライズって、結構楽しいもんだな。
ケータイを閉じて目覚ましを九時半にセット。
明日の朝陽さんを想像しながら、朝陽さんを抱き締めて眠った。
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