週刊『彰と朝陽』

しおりを挿む
だって好きだから─彰



「ほら、もらってきてやったぞ」

「!」


 免許の交付を受けて戻ってきた朝陽さんが、やや乱暴にカードを投げつけてきた。

 なんとか受け止めたそれは、俺が熱望してた黒髪朝陽さん!

 やべ、可愛すぎだろ!

 鼻の奥が痛ぇ!


「鼻血なんか出すなよ」

「うっ……うん」

「バカめ」

「大丈夫だよ。堪えたし!」

「そーいう問題じゃねー。たかが写真で興奮しすぎる彰がバカなんだ」

「だって……朝陽さんが好きだから」

「な、なんだそれ! 理由になってねーしっ」


 そー言ってそっぽを向いた朝陽さんの耳が、不自然に赤くなってる。

 照れちゃって、かわいーな。

 抱き締めてキスしたくなってくるじゃん。

 ……でも、ここは家じゃないから我慢だ。

 とりあえず俺は、宝物をチャック付きの袋に入れて財布の中へ大事に仕舞った。

 そして、居たたまれないって感じで俯いてる朝陽さんを下から覗き込んでみる。

 恥ずかしそーな朝陽さんが可愛すぎてやべぇ。


「朝陽さーん、そろそろ行こっか」

「っ……わかった」

「トイレ借りてかなくて平気?」

「オレは大丈夫だ」

「うん。じゃあ行こ」


 ニヤけそうな顔を必死で引き締めつつ、さりげなく朝陽さんの腰を抱いて外へ促す。

 するとポカポカと暖かい陽射しが降り注いでて、外のが気持ちいー感じだった。

 クレープは店より公園で食うのがいーかも。

 駅の近くに公園があったから、朝陽さんとのんびりいちゃつきながら……。


「朝陽さん、クレープ楽しみだね」

「ん。彰はどれにするか決めてるのか?」

「ツナレタスとか、さっぱりしたのにしよーかなって思ってる」

「それもいーな!」

「パリパリの皮にシャキシャキレタスとツナのサラダ。サイコーだよね」

「オレ、ウインナーとチーズのも好きだ」

「ピザっぽいやつだね」

「さっき決めたのに、また迷ってきた!」

「あはは。二個ずつ買う? 朝飯が遅かったから昼はまだだし、食えるでしょ」

「いーのか!?」

「朝陽さんは、甘いのも食べたいんだよね?」

「ん……カスタードのがいーなって、決めてて……」

「かわいー。テイクアウトして、公園でゆっくり食おーね」

「公園?」

「うん。今日は暖かいから気持ちいーよ」


 食い終わったら軽く散歩するんだ。

 二人でのんびりしながら花見の予定を立てるのもいーな。



- 275/320 -

[≪prev | next≫]



 ←Series Top





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -