週刊『彰と朝陽』

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燃える瞳─彰



 朝陽さんの燃えるよーな眼差しが、大翔をまっすぐ捉えてる。

 真剣な横顔はキリッとカッコよくて、マジで惚れ惚れしてしまう。

 かわいーしカッコいーし、朝陽さんは最高だな。


「覚悟しやがれ、魔王ッ!」

「ふははは、かかってくるがいい!」


 それはまるで、勇者と魔王の一騎討ち。

 コントローラーが剣に見える……なんてことはないけど。

 俺は今マグカップ片手に、睨み合う二人を見守ってる。

 最初に俺と大翔で対戦したから、今は休憩タイムなんだ。

 ちなみに、その対戦の結果は……。


「彰……お前の死は、無駄にしねーからな」

「朝陽さん……」

「天国でオレを見ててくれ。てか、そこが天国ゾーンだから動くなよ」

「あ、うん」

「よし。……魔王め、オレの“地ずり残月”を受けるがいい!」

「ちょっ、なにそれ朝陽さん。すげぇかっこいーね」

「だろ。こないだ最強技をネットで調べてたら、見付けたんだ。昔のゲームの技らしー」

「ネットは便利だよね」

「ん。賢者彰も魔法研究しろよ」

「が、がんばります」


 あーあ、墓穴掘っちゃった。

 てか今の会話でわかる通り、俺は大翔に負けた。

 ビギナーズラック……ならいーんだけど、大翔は普通にコーナリングが上手かったんだ。

 伊達に、趣味の悪い外車を乗り回してるわけじゃないらしー。


「じゃあ朝陽、始めるぞ」

「わかった。オレは負けねーからな!」

「俺も、車好きとして負けられねぇから本気でいくぞ」


 車種やコースの選択が終わって、スタート画面になった。

 ……てか、朝陽さんの方がやや後ろのスタート位置だから不利じゃん!


「朝陽さんがんばれ! 大翔の車なんか横転の末に大破して爆発しろ」

「うわ、ひっでぇ彰。俺は血の繋がった兄貴だぞー」

「うるせぇ。実際に乗ってるわけじゃないからいーだろ」

「俺は彰のこと、好きなのに……! シクシク」

「きめぇ」

「魔王! 先にいくぞっ」

「あーっ、始まってるじゃねぇか!」

「バカめ」


 朝陽さんがうまくスタートダッシュを決めた。

 それを見て焦りながら走り出す大翔。

 俺はリアルな街中が舞台のレースを見ながら、朝陽さんだけにエールを送り続けた。



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