週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
鏡の中の自分─朝陽
「あっ、あぁ……っも、あき、ら」
ここは風呂だから、ありえねーほどに喘ぎ声が響く。
彰がオレを突き上げる、ぐちゅぐちゅって音も。
「朝陽さん、気持ちいー?」
「ん、うぅっ、んっ……き、きもち、ぃ」
「かわいー朝陽さん。もっと喘いで」
シートの上で四つん這いにさせられたオレは今、ナカも外も全身がローション塗れだ。
彰が一応ローションを使い分けたらしーけど、オレからすれば混ざっててわからねー。
そんなオレの身体を這い回る、大きな手。
その手はいつもの彰の手なのに、ぬるぬるしてるってだけで別の生き物みてーだ。
一番感じるとこを突かれながらの愛撫だし、気持ちよすぎて頭がボーッとしてくる。
それでもオレは夢中で腰を振って、貪欲に彰を求めていた。
「彰……っ、ん、もっ、と。もっと……」
「ねぇ朝陽さん。鏡に映った朝陽さん、超感じててかわいーよ」
「かが……みの、オ、レ?」
「うん。今曇り取ったから、ちょっと顔上げてまっすぐ見てみて」
「ん、ぁ……!」
言われるままに顔を上げて鏡を見たら、そこにはすげー顔のオレがいた。
彰に奥まで犯されて、気持ちよさにうっとりしてるオレ……。
オレ、元々あんまり恥ずかしーって思わねー性質なんだ。
だから、別に素っ裸の自分が鏡に映っても動じたりしねー。
でも……これは別だ。
セックスの最中の自分なんて、初めて見た。
「う……っ、朝陽さん、締め付けすぎ」
「だってオレっ」
「自分の感じてる顔見て、感じちゃった? 身体も熱くなってきたし」
「んっ、ば、バカッ……!」
「でもコレ、ローションじゃないぬるぬるがいっぱい出てきたよ」
「あぁっう」
重力に逆らってるモノの先端をぬるぬると撫でられて、やべーぐらいの快感が走る。
もー、早くイキてー。
気持ちよくて、意識が飛びそーなぐらい朦朧とする。
セックスで気絶とか、かなり情けなくね?
彰より情けねーなんて嫌なんだけど。
でも、がんばって堪えよーとしても頭がグラグラしてきて……。
「朝陽さん、もーイキたい?」
「あき、ら……」
「なーに」
「…………ん、オレ」
「? 朝陽さん?」
「………………」
「え、ちょ、朝陽さん? 朝陽さん!? 嘘!」
また、バカな彰がギャーギャー喚いてやがる。
オレは薄れてく意識の中で、身体を抱き上げられるのを感じていた。
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